兵庫県は、2020年に阪神・淡路大震災から25年の節目を迎えるにあたり、「震災を風化させない――『忘れない』『伝える』『活かす』『備える』」を基本コンセプトに、県民、関係機関・団体等と連携して、阪神・淡路大震災の経験と教訓を広く発信し、次の大災害への備えや対策の充実につながる事業を展開するとして、2020年1月17日の「ひょうご安全の日のつどい」をはじめ、各種イベント等の実施計画を公表した……
酪農学園大学(北海道江別市)農業環境情報サービスセンターの金子正美教授(環境GIS 研究室)は、台風19号による各地の洪水の状況をGIS(地理情報システム)を用いて可視化す るシステムを構築し、ネット上で公開している。 このシステムでは、2019年10月に広域で被害をもたらした台風19号について、洪水前後の 衛星画像を画面中央のバーを移動させることにより、浸水域を確認できる……
高潮被害等により甚大な被害をもたらした伊勢湾台風の来襲から、今年は60年の節目。気象庁はこれを機に、伊勢湾台風60年シンポジウム「台風と高潮」を去る9月14日に東京都千代田区のTKPガーデンシティ竹橋で開催した。
当日は、名古屋出身である工藤彰三衆議院議員が冒頭の挨拶に立ち、地元で語り継がれる台風来襲時の様子とその高潮被害の恐ろしさ、対策の重要性について熱を込めて語った……
東京都江戸川区の「江戸川区水害ハザードマップ」が表紙の浸水予想区域の説明図に『ここにいてはダメです』と書き込んで(賛否の)話題を呼んだことは、本紙も最近伝えた。
その後、台風15号、19号、そして21号の影響を受けた大雨などでこの秋、各地で河川氾濫が起こり、現下、広域同時多発大規模水害となっている。東京都では多摩川が氾濫したが、荒川の決壊想定で引き起こされる大規模水害によって”水没”する可能性がある東京東部低地帯に位置する江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)の「250万人広域避難計画」が、決して想定外ではないことが改めて浮き彫りになったと言える……
気象庁は去る10月29日、「津波警報等の視覚による伝達のあり方検討会」(第1回)を東京千代田区の気象庁講堂で開催した。海水浴場等を利用する聴覚障害者等に対し、気象庁が発表する津波警報等を一層確実に伝達できるよう、津波警報等の視覚的伝達方法について検討する もの。検討会座長は田中 淳・東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター長教授が務め……
追手門学院大学(大阪府茨木市)は、地域住民の一時避難場所になっている新キャンパス・茨木総持寺キャンパスで、地域・茨木市・大学連携による防災セミナーを11月17日に開催する。この防災セミナーは、一時避難場所になっている同大学の茨木総持寺キャンパスを地域住民に知ってもらい今後の災害時の避難、防災・減災に役立ててもらおうというもので、一時避難所としての防災セミナー会場を周知するユニークな試みとなる……
株式会社マガジンハウスの30万部大ヒット本の第2弾『自衛隊防災BOOK 2』が、去る10月10日に発売されている。「危機管理のプロ、全国の自衛隊員が伝授する129のテクニック」と銘打って、大雨、地震、火災、大雪、ケガなど、災害別ですぐに役立つノウハウが満載だ。
自衛隊は自衛官募集のホームページ「LIFEHACKチャンネル」(LIFEHACK:ライフハック=仕事術)で、自衛隊に伝わるいざというとき知っておくと役立つ知識やノウハウの数かずを公開していて……
延べ1万人以上の警察官・自衛官などへ「国防・治安維持」に関わる技術講習を行ってきた田村装備開発株式会社が「子どもたちを護る」ことを目的としたクラウドファンディングを行い、開始6時間で目標金額の300万円を大きく超え、2日目にはその倍額となるなど、注目のプロジェクトとなっている。そのプロジェクトとは――
LINE株式会社(東京都新宿区)は、同社が参画するAI防災協議会と共同で、台風19号の被害状況に関する調査をスマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」で実施、その結果をまとめ先ごろ公表した。
AI防災協議会は本年6月18日に設立され、政府が情報提供するなど、産・官・学連携の組織。内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で研究開発されている「人工知能(AI)技術やSNS等を活用した災害時情報収集」のしくみ構築の一環となる……
第21回図書館総合展が来たる11月12日〜14日の3日間、横浜市のパシフィコ横浜で開催される。図書館総合展は、図書館関連業界で最大のトレードショーで、館種を超えた図書館界全体の交流・情報交換の場となっている。また、学習環境・情報流通に関する技術と知見を発表する場で、都市計画・行政関係、教育関係、出版をはじめとするメディア・情報関連産業を巻き込むイベントに成長している。
国立研究開発法人防災科学技術研究所は、図書館総合展において被災経験の継承が防災力の向上につながることを期して……
台風19号被害を概観すると、河川が大河川の氾濫のいっぽう、中小河川の”反乱”を見たのと 同様、鉄道も主要幹線に加えて、ローカル線が各地で多く被害を受けた。JR東日本の中央本線、 両毛線、水郡線、東北本線、磐越東線、八戸線、吾妻線、飯山線などのほか、東武鉄道の佐野線、 しなの鉄道、上田電鉄、阿武隈急行、そして箱根登山鉄道などが大きな被害を受け、いまなお復 旧工事、早期運行再開に努めているところだ……
「広域同時多発」と言えば大地震のあとの火災の発生を伝える常套句だが、今回は「水害」で の形容となった。
本紙は9月15日付けで台風15号による千葉県を中心とする被害を伝え、そのひと月後の前号10 月15日付けで台風19号被害状況を速報(14日12時時点)した。このとき、死者37人、行方不明者 17人、河川の決壊は21河川24カ所、越水は延べ142河川(13日20時56分現在)と伝え、「まさに 広域・ゲリラ的”河川の反乱”の様相を呈している」としたが、その後、台風19号の災害規模は大き く拡大。災害は規模が大きくなればなるほど初期の被災情報はあくまで小間切れで入ってくるこ とを思い知ることになった……