温暖化を背景に大雨による浸水被害が頻発するなか、堤防越水や決壊などの状況や、周辺地域の浸水状況を速やかに把握することが求められている。国土交通省ではこうしたニーズに対応するため小型、長寿命かつ低コストで、堤防や流域内に多数の設置が可能な「ワンコイン浸水センサ」を大量に製造、広範囲かつ必要に応じて緻密に設置し、それらからの情報を収集する仕組みの構築が有効ということで、2022年度から実証実験を始めている……

 アウトドア事業を行う株式会社ヤマップが、2024年度グッドデザイン賞の金賞(経済産業大臣賞)を、「YAMAP 流域地図」で受賞した。「YAMAP 流域地図」は、私たちが暮らす場所を行政区分ではなく、水の流れを基礎とした“流域”で表現した地図で、山・川・街・海を含めた大地の広がりである流域を、地図上で視覚化……

 火山本部・火山調査委員会が9月25日、国内111活火山の噴火リスクがどれぐらい差し迫っているかの評価を公表し、重点的な調査研究・評価が必要な火山として8火山を選定。硫黄島(東京都)、桜島、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島(いずれも鹿児島県)、焼岳(長野・岐阜県)、岩手山(岩手県)、口永良部島(鹿児島県)を、さらに八幡平(秋田・岩手県)も、現状を把握するために必要な調査研究が不十分だとして選ばれている……


 関西(かんせい)学院大学は、阪神・淡路大震災の被災地・兵庫県西宮市にある大学として、学生を中心としたボランティア活動や教員による復旧・復興の研究を震災直後から行ってきた。2004年1月に「災害復興制度研究プロジェクト」がスタート、2005年1月17日に独立した研究所として「災害復興制度研究所」が誕生した……


 8月下旬の台風10号について一部マスコミは“迷走台風”と表現したが、正確には“迷走”したのは気象予報=台風の進路予報だった。スーパーコンピュータを駆使しても、台風の進路についても、まだまだ気象予報がむずかしいことが明らかとなった。気象庁は、線状降水帯の発生について「顕著な大雨に関する情報」と「線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけ」の2つの情報を……


 本年4月1日付で文部科学省に「火山調査研究推進本部」(「火山本部」)が新たに設置され、同時に「8月26日を『火山防災の日』」とすることが発表された。国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めることを目的としている。「8月26日」は、1911(明治44)年、浅間山に日本で最初の火山観測所が設置されて観測が始まった日で、気象庁では4月1日、「火山防災の日」特設サイトを開設した……

 本年(2024年)8月8日16時43分頃の日向灘の地震はマグニチュード(M)7.1(気象庁速報値)で、最大震度6弱を宮崎県日南市で観測、津波注意報が16時52分に愛媛県宇和海沿岸、高知県、大分県豊後水道沿岸、宮崎県、鹿児島県東部、種子島・屋久島地方に発表されたが(宮崎港で50cmの津波を観測)、同日22時までにすべて解除された。そして同日、19時15分に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表された……

 「防災教育学会 第5回大会」が去る6月15日・16日、神戸学院大学 ポートアイランドキャンパス(兵庫県神戸市)で開催された。防災教育学会は、防災と教育の研究者・実践家が研究領域を超えて協力し、防災教育をけん引していくという理念のもと、2020年4月に創設されている……

一般財団法人免震研究推進機構(Jsil:Japan Seismic Isolation Laboratory)は、国の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)により兵庫県三木市に完成させた世界トップクラスの精度を誇る実大免震試験機(E-Isolation)を用いて実大・動的試験を行い、免震装置の性能を評価する「免震動的性能認証制度」を7月1日から開始する……

 気象庁は、2012年5月に茨城県等で発生した竜巻をきっかけに「竜巻等突風の強さの評定に関する検討会」(会長:田村幸雄・東京工芸大学名誉教授)で、竜巻等の突風の強さを客観的に評定するための検討を進めてきた。日本の建築物等の被害に対応するよう改良した「日本版改良藤田スケール」及びその技術的指針である「日本版改良藤田スケールに関するガイドライン」を15年12月に策定……

 能登半島地震の初動対応を検証してきた関係省庁のチームは去る6月10日、総理大臣官邸で開催された第7回「令和6年能登半島地震復旧・復興支援本部」会議で検証結果を報告した。能登半島の被災地では道路の寸断が多発し、被害の全容把握や救援物資の輸送が難航したことから、「半島防災」対策の強化が大きな課題……

 報道によると、経済産業省は、能登半島地震で被災した自治体と連携し、電力使用状況のデータを被災者の居住証明として活用する実証実験を行うという。「罹災証明書の発行に必要な書類の代わりとして扱うほか、在宅避難する高齢者の見守りといった被災者支援に役立てる方向で検討、今月、参加する事業者の募集を開始し、石川県内などで導入したい考え……