ゲヒルン株式会社(東京都千代田区)は、2019年9月1日(防災の日)に「特務機関NERV(ネルフ)防災アプリ」の提供を開始した。同アプリは、地震・津波・噴火・特別警報の速報や洪水や土砂災害などの防災気象情報を、利用者の現在地や登録地点に基づいて最適化して配信するスマートフォン用サービス。被害が予想される地域の居住者や訪問者などが的確に状況を認識し、迅速な判断・行動が取れるよう補助する目的で開発された……

 不動産・リフォームなどを手がける株式会社ウィル(兵庫県宝塚市)が、阪神淡路大震災から25年の節目を目前に、ワンクリックでハザード情報(土砂・洪水・津波・地震)を表示できる不動産検索システムを含む自社ホームページをリニューアルオープンする。
 同ホームページは、顧客の利便性・有益性に最大限配慮するほか、家探しの新たな基準として「災害環境のチェック」という不動産市場が隠しがちだった“不都合な真実”まで明らかにするという画期的な“情報破壊”の視点を提唱し、注目される……

 気象庁は「2018(平成30)年7月豪雨」(西日本豪雨)を受け、2018年度、避難等の防災行動に役立つための防災気象情報の伝え方について、有識者による「防災気象情報の伝え方に関する検討会」を設置して検討を行い、改善に向けた具体策をとりまとめている。2019年度は、この改善策に沿った取組みについてのフォローアップを実施するとともに、2019年台風19号等の災害を踏まえたさらなる改善策について中長期的な視点も踏まえ検討する。今年度の初回は2020年1月14日の開催を予定……


 令和元年10月12日から13日にかけて、関東から東北地方沿岸を縦断した台風19号では、岩手県でも普代村で時間95mm、総雨量467mmなどと記録的な豪雨をもたらし、洪水・土砂災害など大きな爪痕を残した。
 災害時の避難の勧告・指示は、気象庁が発表する警報に基づいて首長が発令する。しかし、平成28年の台風10号に際して、自治体が適切な判断をできず、避難に十分な時間が取れないまま多くの犠牲を出した教訓を踏まえ、岩手県では、盛岡地方気象台・国土交通省岩手河川国道事務所・県河川課・県砂防課・岩手大学専門家からなり、市町村長に助言を行う「岩手県風水害対策支援チーム」を平成29年6月に立ち上げ、これまで4度、早期避難の助言を行ってきた……

 本紙は11月2日付け「広域同時多発水害に どう備えるか」でカット図版で国土地理院資料「利根川水系(鹿島川・高崎川)佐倉市周辺の浸水推定段彩図」を取り上げたが、この「浸水推定段彩図」がその後、避難の判断や救助にも役立つと、関係各方面やマスメディアで話題だ……

 温暖化、異常気象の影響のもと、近年は、2018年1月の首都圏での大雪や2月の北陸地方での大雪など、集中的・記録的な降雪が発生し、大規模な車両渋滞・滞留を引き起こすなど、社会活動への影響が問題となっている。気象庁はこの状況を踏まえ、11月13日16時から、現在の積雪・降雪の分布を推定する「新しい雪の情報」の提供を開始した……

 酪農学園大学(北海道江別市)農業環境情報サービスセンターの金子正美教授(環境GIS 研究室)は、台風19号による各地の洪水の状況をGIS(地理情報システム)を用いて可視化す るシステムを構築し、ネット上で公開している。  このシステムでは、2019年10月に広域で被害をもたらした台風19号について、洪水前後の 衛星画像を画面中央のバーを移動させることにより、浸水域を確認できる……

 LINE株式会社(東京都新宿区)は、同社が参画するAI防災協議会と共同で、台風19号の被害状況に関する調査をスマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」で実施、その結果をまとめ先ごろ公表した。
 AI防災協議会は本年6月18日に設立され、政府が情報提供するなど、産・官・学連携の組織。内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で研究開発されている「人工知能(AI)技術やSNS等を活用した災害時情報収集」のしくみ構築の一環となる……

 「広域同時多発」と言えば大地震のあとの火災の発生を伝える常套句だが、今回は「水害」で の形容となった。
 本紙は9月15日付けで台風15号による千葉県を中心とする被害を伝え、そのひと月後の前号10 月15日付けで台風19号被害状況を速報(14日12時時点)した。このとき、死者37人、行方不明者 17人、河川の決壊は21河川24カ所、越水は延べ142河川(13日20時56分現在)と伝え、「まさに 広域・ゲリラ的”河川の反乱”の様相を呈している」としたが、その後、台風19号の災害規模は大き く拡大。災害は規模が大きくなればなるほど初期の被災情報はあくまで小間切れで入ってくるこ とを思い知ることになった……

 台風による運休計画や事故による運休など、このところ鉄道などの公共交通機関の利用者向け情報提供をめぐる話題が多いなか、先ごろ、東京都内の鉄道駅での災害情報や利用提供をめぐる情報サービス開設のニュースが続いた。
 そのうちひとつは、東京駅八重洲地下街「メイン・アベニュー」に設置された52面のデジタルサイネージ、および3面マルチディスプレイを使用した、緊急地震速報や防災メールに連動した災害関連情報の自動配信開始のニュースだ……

 国の地震調査研究推進本部(通称、地震本部)は8月22日の第58回政策委員会(委員長:福和伸夫・名古屋大学減災連携研究センター教授)で、地震本部の成果物のうち、ある地点が揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」など、リスクやハザードの大きさを示す図の配色方針を新しくすることを決めた。全国で300万人以上いるといわれる色覚障害者にもリスク情報をできるだけ分かりやすく提供する……

 去る7月上旬、九州南部での大雨で鹿児島市などに「全域避難指示」が発令されたことで、本紙 は(2019年)7月26日付け(下記にリンク)で、“市内全域避難”に疑問を呈した。また、マスメディア報道では避難場所への“避難率”の低さを取り上げ、住民の意識の低さと関連づける傾向があることにも異議を唱え た。
 国のガイドラインは、避難には指定緊急避難場所への避難のほか、近隣の安全な場所への 避難(「水平避難」)、屋内の2階以上での安全確保(「垂直避難」)といった”避難法”を認めているからだ……