国連の専門機関、世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)が8月31日、報告書を発表し、1970~2019年の50年間で気候変動や異常気象、または水の危険に関連する災害などを背景に、干ばつや洪水といった気象災害が5倍に増えたと警告。この間に報告された1万1000件を超える気象災害で200万人以上が死亡し、経済的な損失は3兆6400億ドル(約400兆円)にのぼった……
環境、気候変動、地球温暖化
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、「第1作業部会」による地球温暖化の「自然科学的根拠」をまとめた「第6次評価報告書」を去る8月9日、公表した。IPCCの総合的報告書の公表は2014年以来7年ぶり6回目。報告書にはほかに、温暖化の影響や対応(適応策)を担う「第2作業部会」、温室効果ガスの削減策を担う「第3作業部会」の報告書があり、最後の「統合報告書」の公表は来年秋の予定……
本紙はこれまで、山梨大学の秦(はだ)康範・准教授(地域防災)が2018年10月に日本災害情報学会で発表した調査研究結果「全国ならびに都道府県別の浸水想定区域内人口の推移」を何度か取り上げてきた。
秦氏の調査研究は、災害リスクの高い地域として浸水想定区域内の人口に着目したもので、その推移について社会的な背景とともに考察。国や都道府県が指定した全国の河川の洪水による浸水想定区域に住んでいる人は、2015年時点で約3540万人にのぼり、20年前の1995年と比べて4.4%増えていること、また、世帯数では約1530万世帯で、24.9%と大幅に増えたことを明らかにした……
IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)総会が7月26日、オンラインで始まった。地球温暖化の最新科学的知見を評価するもので、7年ぶり6回目の報告書の公表が始まる……
脱炭素社会実現に向けた政府のエネルギー基本計画改定案が先ごろ示された。再生可能エネルギー(以下「再エネ」)を主力電源と位置づけて最優先・最大限の導入を掲げ、原発とあわせて脱炭素電源を6割まで高める目標だ。本年5月に成立した改正地球温暖化対策推進法は、条文に新たに基本理念を設けて「2050年までの脱炭素社会の実現」の方針を明記した。将来にわたる政策の継続性を国内外に約束するもので、政府は4月に発表した温暖化ガス排出の新たな削減目標(30年度までに13年度比で46%削減)達成の切り札と位置づける……
内閣府(防災担当)は去る6月30日(安倍晋三政権のもと)、「気候変動×防災」に関する武田良太内閣府特命担当大臣(防災)(当時、現 小此木八郎)・小泉進次郎環境大臣(留任)の共同メッセージをとりまとめ公表した。
想定を超える気象災害が各地で頻発し、気候変動はもはや「気候危機」と言える状況のなか、気候変動リスクを踏まえた抜本的な防災・減災対策が必要とし、共同メッセージを、気候変動対策と防災・減災対策を連携して取り組む戦略「気候危機時代の『気候変動×防災』戦略」と命名した……
気象庁気象研究所(茨城県つくば市)は、過去の観測データ等を用いて、日本に接近する台風の特徴の変化を詳細に調査した結果、過去40年で、東京など太平洋側の地域に接近する台風が増えていることが明らかになったと発表した。これらの接近する台風は、強度がより強くなっていること、および移動速度が遅くなっていることもわかったとしている……
環境省と気象庁が連携して7月から関東甲信9都県で始める新しい警報「熱中症警戒アラート」について、専門家でつくる「熱中症予防対策に資する効果的な情報発信に関する検討会」(座長:小野雅司・国立環境研究所環境リスク・健康研究センター客員研究員)は5月27日、環境省が公表する「暑さ指数(WBGT)」が33度以上で出すことを決めた……
「産業革命以後、温暖化効果ガスの増大で気温上昇が続き人類の未来は暗い。人々は移 民を余儀なくされ、地球環境の汚染が続いている。気候変動は人類への驚異であり緊急な対 策が求められている。しかし世界第2位の二酸化炭素排出国米国のドナルド・トランプ大統領 は、気候変動抑制に関する国際協定パリ協定から脱退を宣言し、石炭復活策を進めるなど時 代と逆行した行動を重ねている……
米国ニューヨークで9月23日に開かれた国連気候行動サミットに合わせ、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は地球温暖化などに関する特別報告書を公表、「温室効果ガスの排出量がこのまま増え続ければ2100年までに海面が1m上昇し、生態系のバランスが崩れる」と警告した。海面の上昇幅は2300年までに5mを超える恐れがあるという……
聖心女子大学グローバル共生研究所(東京都渋谷区)は、地球規模課題である気候変動を展示テーマに、2年間(2019年4月から2021年3月まで)・4回に分けて異なるトピックに焦点を当て、多角的にアプローチしている。本年4月から8月にかけて行われた第1弾「ファッション×気候変動」では、Tシャツなどの身近なファッションが、いかにして気候変動と関わっているかを紹介した。
このほどスタートした第2弾(2019年9月5日〜2020年4月28日)は、「女性と社会的弱者にとっての気候変動」がテーマとなっている……