気象庁は去る4月16日から、気象庁ホームページ(HP)の防災気象情報(注1)を11カ国語から14カ国語(注2)に拡充して提供開始している。
気象庁はこれまでも、日本に住む外国人、訪日外国人が安心・安全に過ごせるように、気象情報の多言語化に取り組んできた。2019年9月30日からは11カ国語での提供になっていたが、このほど3カ国語(クメール語、ビルマ語、モンゴル語)を追加し、また、同情報の意味や取るべき行動を理解してもらえるように、新たに解説も掲載している……
防災情報
以前本紙は、「”借家住まい”の防災環境」をテーマに特別企画を打った。その趣旨は、3大都市圏のいずれにおいても大規模水害、大規模地震の発生が懸念され、都市部の膨大な「借家居住者」の災害脆弱性が浮上しているいっぽうで、全国的にも浸水想定区域に住んでいる人は、2015年時点で約3540万人にのぼり、20年前の1995年と比べて4.4%増え、また世帯数では約1530万世帯で、24.9%と大幅に増えたいるという……
地震によって地滑りを誘発する可能性がある大規模盛土造成地が、防災上の大きな課題になっている。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などで、谷や沢を埋めた造成宅地、あるいは傾斜地盤上に腹付け(地盤面の水平面に対する角度が20度以上・高さ5m以上の盛土)した大規模な造成宅地ががけ崩れや土砂流出を起こし、大きな被害が発生した。盛土と地山(じやま/自然の地盤)との境界面や盛土内部を滑り面とする盛土の地滑り的変動(滑動崩落)が生じたためである……
近年、豪雨災害が各地で発生している現状を踏まえ、都はこのほど(3月25日から)、浸水予想区域図が示す「浸水リスク」を地図や住所から検索できるサービスを開始している。自宅や職場などの「浸水リスク」を事前に確認して、「洪水時の避難計画の立案」(マイ・タイムラインの作成など)や「水害に強い生活様式の工夫」などに役立ててほしいとしている……
気象庁は、大雨が予測される場合や大きな地震が発生した場合などに、住民が防災上で留意すべき内容や気象庁が持つ危機感を伝えるために「緊急記者会見」を開催している。この会見は、主にテレビなどマスメディアを通じて届けられているが、このほど(3月25日)、一人でも多くの住民・市民に緊急記者会見を見てもらうことを狙いとして、3月25日14時以降に開催する緊急記者会見について、「YouTube」 (ユーチューブ。Google LLC社が提供する動画共有サービス)を利用したライブ中継を行うと発表した……
「ナッジ(nudge)」をご存知だろうか。Nudgeは直訳すると「ひじで軽く突く」という意味で、行動経済学や行動科学分野で、人びとが自発的に望ましい行動を選択するように促す仕掛けや手法、つまり「用語・表現などを工夫することで人に行動のきっかけを与える方法」を言う……
2019年の台風15号、19号など、広域豪雨災害などを教訓として、避難対策の強化を検討するために中央防災会議 防災対策実⾏会議のもとに設置された「令和元年台⾵第19号等による災害からの避難に関するワーキンググループ」(主査:⽥中 淳・東京⼤学⼤学院情報学環総合防災情報研究センター⻑ 教授。以下「WG」)。その論点として、「災害リスクととるべき⾏動の理解促進」、「⾼齢者等の避難の実効性の確保」、「わかりやすい防災情報の提供(避難勧告・避難指⽰のあり⽅)」などがあげられている……
ゲヒルン株式会社(東京都千代田区)は、2019年9月1日(防災の日)に「特務機関NERV(ネルフ)防災アプリ」の提供を開始した。同アプリは、地震・津波・噴火・特別警報の速報や洪水や土砂災害などの防災気象情報を、利用者の現在地や登録地点に基づいて最適化して配信するスマートフォン用サービス。被害が予想される地域の居住者や訪問者などが的確に状況を認識し、迅速な判断・行動が取れるよう補助する目的で開発された……
不動産・リフォームなどを手がける株式会社ウィル(兵庫県宝塚市)が、阪神淡路大震災から25年の節目を目前に、ワンクリックでハザード情報(土砂・洪水・津波・地震)を表示できる不動産検索システムを含む自社ホームページをリニューアルオープンする。
同ホームページは、顧客の利便性・有益性に最大限配慮するほか、家探しの新たな基準として「災害環境のチェック」という不動産市場が隠しがちだった“不都合な真実”まで明らかにするという画期的な“情報破壊”の視点を提唱し、注目される……
気象庁は「2018(平成30)年7月豪雨」(西日本豪雨)を受け、2018年度、避難等の防災行動に役立つための防災気象情報の伝え方について、有識者による「防災気象情報の伝え方に関する検討会」を設置して検討を行い、改善に向けた具体策をとりまとめている。2019年度は、この改善策に沿った取組みについてのフォローアップを実施するとともに、2019年台風19号等の災害を踏まえたさらなる改善策について中長期的な視点も踏まえ検討する。今年度の初回は2020年1月14日の開催を予定……
令和元年10月12日から13日にかけて、関東から東北地方沿岸を縦断した台風19号では、岩手県でも普代村で時間95mm、総雨量467mmなどと記録的な豪雨をもたらし、洪水・土砂災害など大きな爪痕を残した。
災害時の避難の勧告・指示は、気象庁が発表する警報に基づいて首長が発令する。しかし、平成28年の台風10号に際して、自治体が適切な判断をできず、避難に十分な時間が取れないまま多くの犠牲を出した教訓を踏まえ、岩手県では、盛岡地方気象台・国土交通省岩手河川国道事務所・県河川課・県砂防課・岩手大学専門家からなり、市町村長に助言を行う「岩手県風水害対策支援チーム」を平成29年6月に立ち上げ、これまで4度、早期避難の助言を行ってきた……
本紙は11月2日付け「広域同時多発水害に どう備えるか」でカット図版で国土地理院資料「利根川水系(鹿島川・高崎川)佐倉市周辺の浸水推定段彩図」を取り上げたが、この「浸水推定段彩図」がその後、避難の判断や救助にも役立つと、関係各方面やマスメディアで話題だ……