遡って2012年7月31日、中央防災会議専門調査会「防災対策推進検討会議」は「最終報告~ゆるぎない日本の再構築を目指して~」を決定・公表した。「最終報告」は、「東日本大震災を踏まえ、私たちが学び、将来に向かって約束として果たすべきことをまとめ、今後のわが国の防災対策の方向性を示した」とした。東日本大震災発災から1年4カ月ほどを経てまとめられたものだった……

 本紙はこれまで齋藤徳美・岩手大学名誉教授から折に触れ寄稿をいただいてきた。そのテーマは、本紙2014年3月6日付け掲載の東日本大震災3周年を機とする「“被災地いわて”から訴える」をはじめ、8本に及び、テーマも大震災からの岩手復興事業計画はもとより、氏の研究テーマでもある岩手山噴火対策、国の一方的な大津波浸水想定公表への地元在住の研究者としての反発などと鋭いものがあった……

 一般社団法人日本災害食学会が監修する『災害食の事典』が、去る9月1日(防災の日)に朝倉書店から刊行された。災害に備えた食品の備蓄や利用、栄養等に関する知見を幅広い観点から解説したもので、供給・支援体制の整備、事例に基づく効果的な品目選定、高齢者など要配慮者への対応など、国・自治体・個人の各主体が平時に確認しておきたいテーマを網羅している……

 本年は1923(大正12)年に発生した関東大震災から100年の節目。本紙も通年で「関東大震災100年」企画をいろいろ打ち出してきた。本号ではその一環として、このほど東京都が公開した東京都「復興デジタルアーカイブ」を紹介するとともに、本紙提携紙「WEB防災情報新聞」より、山田征男氏(防災情報新聞特別編集委員)執筆・とりまとめによる「関東大震災100年特集/『周年災害』がひも解く大震災と防災/震災後の防災」から、「世界初の耐震基準登場」の背景について、記事を引用・転載してみる……

 株式会社チャイルド社(東京都杉並区)が、大人と子どもが一緒に防災を学べる絵本『ぷーたのぼうさい』を出版した。同書では、監修の防災の専門家である月ヶ瀬恭子さん(一般社団法人Forward代表理事)が絵本の中で「きょうこ先生」として登場し、災害が発生したときにとるべき行動や事前の準備・心構えについて、わかりやすく解説している……


 北アフリカのモロッコ中部で9月8日夜に発生した強い地震で、確認された死者は13日までに3000人を超えた。いっぽう、北アフリカのリビア東部で9月10日夜から11日にかけて発生した洪水で、確認された死者は13日までに約9000人に達したという。ほぼ同時期に北アフリカで発生した大地震と大洪水――自然災害の脅威に現地はもとより、世界が驚愕している……

 「平成26年8月豪雨」(気象庁命名)による「広島市土砂災害」は、2014年8月20日に広島県広島市北部の安佐北区や安佐南区の住宅地などで発生した大規模な土砂災害だ。同災害における死者は77人(直接死74人、災害関連死3人)となっているが、国土交通省によると日本での土砂災害による人的被害としては過去30年間で最多……


 「ニュースパーク(日本新聞博物館)」(横浜市中区/横浜情報文化センター内)は、新聞文化の継承と発展を目的に、日刊新聞発祥の地・横浜に2000年10月にオープンした情報と新聞の博物館で、日本新聞協会が運営する。そのニュースパークで、去る8月26日から12月24日まで、企画展『そのとき新聞は、記者は、情報は――関東大震災100年』が開催される……

 阪神・淡路大震災(1995年:平成7年1月17日発災)が起きるまで、“大震災”といえばこの関東大震災を指していた。
 1923年9月1日午前11時58分、多くの家々が昼食の支度に励んでいたころ、相模湾北部を震源とするマグニチュード7.9の巨大地震が発生した。
 はじめは緩慢な揺れが続き、その内にだんだんと大きくなり、ついには立ってはいられないほどの激しい揺れに襲われた。東京での観測によると最大地動震幅は14~20cmに及んだという。また住家の全潰率から評価すると、伊豆半島北部、御殿場周辺、神奈川県のほぼ全県域と原町田(現・町田市)周辺、埼玉県東南部の一部、房総半島西部から南部が震度6~7の非常に激しい揺れに襲われ……


 いきなり余談から入るのは恐縮だが、本記事大見出しにある「バックドアの学び」の“バックドア”を解説しておく。ここで言うバックドアとは、直訳すれば「裏口」または「勝手口」のこと。車の話ではなく、近年のIT分野のセキュリティ用語「不正侵入するための入口」でもない。むしろマイナー(マニアック)な野球用語で「打者の外角側のボールゾーンからストライクゾーンに変化する球を投げてストライクを取る投球」を意味する。要するに、ボールと思わせてストライクになるボールである……