早稲田大学理工学術院の関根正人教授をはじめとする東京大学、リモート・センシング技術センターなどの研究グループは去る9月6日、2019年に開発し、社会実装に向けて準備を進めてきた東京都23区で発生する都市浸水をリアルタイムで予測するシステム「S-uiPS」(スイプス。Sekine’s urban inundation Prediction System)を、本年9月下旬から一般公開すると発表。一般公開に先立ち、ユーザーを限定した3週間ほどの先行公開期間を設けることとし、防災の日である同9月1日より開始した……
気象災害、土砂災害、台風
株式会社ナビタイムジャパン(東京都港区)が、カーナビアプリ『カーナビタイム』で、「冠水注意地点」と「ハザードマップ」の提供を開始した。『カーナビタイム』では、2021年8月から、走行中に、降雨状況を考慮して、ルート上の冠水注意地点に近づくと音声で注意喚起……
気象庁は2022年度後半から、新たな基準を設けた緊急地震速報の運用を始める予定だ。これまでは「最大震度5弱以上」を予測した地震について、震度4以上が想定される地域を対象としていたが、4段階ある長周期地震動の「最大階級3以上」を予測したときにも、階級3以上の想定地域に発表する。
気象庁は新基準の運用により、改めて大地震と長周期地震動への警戒を呼びかける。なお、新基準では、震度3以下の地域でも長周期地震動速報の対象になる可能性がある……
大雨による浸水被害が頻発するなか、迅速な災害対応や地域への情報発信を行うため、堤防における越水や決壊などの状況や、周辺地域における浸水の状況を速やかに把握することが求められている。また、流域内で活動を行う各種企業・事業体などにおいても、店舗や事業施設の適切な管理、住居や車両の浸水被害への保険金支払いなど、災害後の対応の迅速化などのため、浸水の状況を容易に把握する仕組みへのニーズが高まっている……
今年は本州各地域や四国、九州で記録的な早さで6月中に梅雨明けしたが、7月は各地で梅雨に逆戻りしたような不順な天候が続き、激しい雨による被害も相次いだ。
8月に入って3日からは、日本海から北陸地方を通って日本の東にのびる前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、西日本から北日本で大気の状態が不安定となり、局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降った。さらに……
応用地質株式会社 (東京都千代田区)は、土砂災害から住民を守る新たな防災システムの構築を目的に、神奈川県葉山町と連携協定を締結、実証研究を開始した。
実証研究を通して、応用地質が開発した「斜面変動検知センサ」と「土砂ハザードモニタリングシステム」を葉山町の土砂災害危険斜面に設置・運用し、土砂災害の予兆の早期検知の有効性を検証し、住民の適切な避難行動につなげる最適な周知方法の確立をめざす……
大雨災害報道でよく目にするのが、車の水没だ。被害を視覚的に理解できる映像なのだが、大雨予報が出ているときに、なぜハザードマップをチェックして、車を水没から予防的に避難させないのか、常々疑問に思っていた。
そこで本紙は、本年7月1日付け「車中泊避難」記事で「豊田市の一時車両退避場所」を紹介した……
株式会社ウェザーニューズ(千葉市)は、大雨による被害を最小限にするため、お天気アプリ「ウェザーニュース」で、現在地の雨の予想や雨による影響予測をピンポイントで確認できる「大雨ピンポイント情報」の配信を開始した……
広島県では、公共土木施設等に関するあらゆる情報を一元化・オープンデータ化し、外部システムとのデータ連携を可能とするインフラマネジメント基盤「DoboX(ドボックス)」を6月28日から運用開始している。DoboXでは、浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの災害リスク情報や、公共土木施設等の情報を、3Dマップや地図上で確認することができる。また、これまで行政内部で利用していた情報をオープンデータ化することで、県民や民間企業、研究機関など、誰でも利用することが可能となる……
『大雨の稀(まれ)さ情報』という名称の防災気象情報が登場した。『大雨の稀さ情報』は、近年の線状降水帯等による豪雨災害の激甚化を受け、出水期となる6月23日から試験配信が開始されている。これは、I-レジリエンス株式会社による防災情報配信サービスの第1弾で、I-レジリエンスは、国立研究開発法人防災科学技術研究所が……
6月に入り、出水期を迎える。出水期とは川が増水しやすい時期を言い、わが国では融雪の時期から、集中豪雨(梅雨)や台風の多い時期が出水期(6月〜10月)だ。国土交通省、気象庁は出水期に先立ち去る5月18日、住民の適切な避難の判断・行動につながるよう防災気象情報の伝え方の改善を発表した。主な取組みは次の4項目となる……
わが国では、山を背後に抱えた狭い平地が多くの人びとの暮らしの場となっており、特に都市部では山を切り開いて宅地が開発され、がけのすぐそばや谷の出口にまで住宅地が形成されている例が少なくない。このことが、わが国で土砂災害が多い大きな要因となっていて、しかも土砂災害のおそれのある箇所は増え続けている。
そして、わが国の歴史には、水害や地震による「土地崩壊」と「人びとの営為」との、絶え間ない葛藤=防災の試行錯誤が埋め込まれている……