令和6年能登半島地震で石川県輪島市の「輪島朝市」周辺で大規模な火災が発生したことを受け、総務省消防庁と国土交通省は去る3月18日、有識者による「輪島市大規模火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」の初会合を開いた。火災の原因に関する調査結果や消防活動の検証内容を踏まえ、今後取り組むべき火災予防、消防活動、消防体制等の充実強化のあり方について検討を行い、今夏のとりまとめをめざす……
地震、津波
能登半島地震で震度6強の揺れを観測した石川県七尾市で「私たちは能登半島地震でも医療を止めない」と、地震の影響を感じさせずに地域医療をフル稼働させたのが、社会医療法人財団董仙会・恵寿(けいじゅ)総合病院(神野正博理事長)だ。本館は「免震構造」で、被害を免れたという……
数々の賞に輝くルポライターが初めて知った事実があった――「東日本大震災での外国人犠牲者を誰も把握していない」。震災後の東北を今も取材し続けるルポライター・三浦英之氏が“把握されていない被災者”をたどって現地を訪ね歩き、出会ったのは……
2004年中越地震(M6.8)では、新潟県川口町で震度7を観測。当時の山古志村では至る所で山地崩壊が発生し、村に続く道路はすべて遮断され、闘牛と錦鯉の養殖で有名な静かな山村は孤立した。約2千人の村民はヘリコプターで長岡市に避難することになった。2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)では最大震度が6強であったが、荒砥沢での国内最大級の地すべりをはじめ山地の崩落が頻発した。
令和6年能登半島地震――山間地で震度7という最大級の揺れ、しかも半島という地形条件の下でいかに大きな被害が生じているか、官邸にはそのイメージを膨らませる才覚がなかったのであろう……
遡って2012年7月31日、中央防災会議専門調査会「防災対策推進検討会議」は「最終報告~ゆるぎない日本の再構築を目指して~」を決定・公表した。「最終報告」は、「東日本大震災を踏まえ、私たちが学び、将来に向かって約束として果たすべきことをまとめ、今後のわが国の防災対策の方向性を示した」とした。東日本大震災発災から1年4カ月ほどを経てまとめられたものだった……
能登地方では、2018年ごろから地震が断続的に続いている。とくに2020年12月ごろから地震活動が活発化(能登群発地震)し、22年6月には震度6弱、23年5月には震度6強の大地震に襲われた。今回の地震は一連の群発地震のなかでも最大規模となる。報道によれば、輪島市では防潮堤や海沿いの岩礁がおよそ4m隆起したことが産業技術総合研究所地質調査総合センターの現地調査で確認された。同センター・宍倉正展グループ長は、「4mもの隆起はめったにないことで、数千年に1回の現象」と指摘……
国(内閣府防災担当)は、2015年3月に策定した「首都直下地震緊急対策推進基本計画」から10年が経過することから、このほど、同基本計画及び政府業務継続計画の見直しに向けて本格的な検討を開始するとして、中央防災会議に「首都直下地震対策検討ワーキンググループ(WG)」を設置……
国は、日本海溝・千島海溝沿いの大規模地震の発生時期や場所・規模を予測することは困難だが、巨大地震の想定震源域及びその周辺でM7.0以上の地震が発生した場合には、後発の巨大地震への注意を促す情報発信が重要として、一昨年(2022年)9月……
2024年1月1日16時06分、石川県能登地方を震央とする最大震度5強の地震が観測された。そのおよそ4分後の16時10分の地震では、能登地方でマグニチュード(M)7.6・最大震度7が石川県志賀町(しかまち)で観測(震源は輪島の東北東30km付近、ごく浅い)されたほか、本州・四国のほぼ全域と九州・北海道の一部など、45都道府県で震度6強~1の揺れを観測した……
南海トラフ沿いのプレート境界で発生する最大規模の地震――南海トラフ巨大地震は、歴史的には約100年から200年の間隔で発生しており、最後に発生したのは1854年とされている。南海トラフ巨大地震は最悪、東日本大震災と同程度かそれ以上の規模の地震と津波を引き起こす可能性があり、全国各地に大きな被害が予想されている。そのため国は、南海トラフ巨大地震に備え、次のような対策を行っている……
本紙はこれまで齋藤徳美・岩手大学名誉教授から折に触れ寄稿をいただいてきた。そのテーマは、本紙2014年3月6日付け掲載の東日本大震災3周年を機とする「“被災地いわて”から訴える」をはじめ、8本に及び、テーマも大震災からの岩手復興事業計画はもとより、氏の研究テーマでもある岩手山噴火対策、国の一方的な大津波浸水想定公表への地元在住の研究者としての反発などと鋭いものがあった……
小沢慧一・著『南海トラフ地震の真実』(東京新聞刊)が防災関係者のあいだで話題を呼んでいる。同書は、東京新聞社会部科学班記者の小沢慧一(けいいち)氏が著したノンフィクションで、本年8月24日に東京新聞(中日新聞東京本社)から出版され、菊池寛賞を受賞。受賞理由は「『30年以内に70~80%』という南海トラフ地震の発生確率は水増しされており、予算獲得などのために科学がゆがめられる実態を明らかにした」とされている……