色覚障害ある人も見やすく
新たに作成する図から導入
国の地震調査研究推進本部(通称、地震本部)は8月22日の第58回政策委員会(委員長:福和伸夫・名古屋大学減災連携研究センター教授)で、地震本部の成果物のうち、ある地点が揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」など、リスクやハザードの大きさを示す図の配色方針を新しくすることを決めた。全国で300万人以上いるといわれる色覚障害者にもリスク情報をできるだけ分かりやすく提供する。
新たに作成・改訂する図から導入される新配色は、レベルに応じて9つの色――危険度が高い順に「赤紫」「赤」「朱」「橙(だいだい)」「黄」「淡黄」「青」「水色」「薄灰」とし、色覚障害者に配慮、見分けにくい赤と緑を同じ図に配置しないようにする。これまで図によっては危険度が高いものと低いものに同じ黒が使われるなど統一されていなかったが、気象庁が用いる震度1~7の色分けを参考に配色を決めたという。
これまで震度5弱以下には緑や薄い緑が、震度6弱以上には赤系の色が使われていたが、赤と緑が見分けにくい人もいるとのことで、今後は緑色を使用しない。また、色の濃淡が連続的に変化するグラデーション表示も行わない。
予測地図は行政の防災計画の基本になっており、配色の標準化が進むことが期待できる。また、地震に限らず台風や洪水、火山噴火など自然災害全般のリスク情報、ハザードマップにも、統一したカラースキームを適用すべきだとの声も出ている。地震本部は、防災に関連する 情報における「色のバリアフリー化」を順次進める方針だ。
>>地震本部:成果物の配色方針について(案)
〈2019. 09. 05. by Bosai Plus〉