気象庁 9月14日に シンポジウムを開催
5千人余の死者を出した高潮災害の再現は、3大湾ほか、
海に囲まれたわが国で決して想定外ではない!
本年が1959(昭和34)年伊勢湾台風から60年となる節目の年であることから、気象庁は、台風と高潮災害についての防災知識の普及啓発に向けて、来たる9月14日に、東京・千代田区でシンポジウムを開催する。
その主題を「台風、そして東京湾でも懸念される高潮、その怖さを正しく知る」とし、近年、毎年のように起こる大雨・洪水災害で高まりつつある風水害への警戒と同時に、いまでは忘れかけている“スーパー”クラス高潮災害への警戒を呼びかける。
>>気象庁:伊勢湾台風60年シンポジウム「台風と高潮」の開催
気象庁はまた、伊勢湾台風が襲来した9月26日前後に向けて「伊勢湾台風から60年」という特設ページを設けて、伊勢湾台風50年の節目にとりまとめた資料「伊勢湾台風の教訓と最新の台風予報技術の活用による減災」などを併せて公開している。
大規模な台風による高潮の発生は、今日でも、伊勢湾はもとより、東京湾、大阪湾、瀬戸内海、有明海、八代海などに面する都府県では大きな懸念となっている。
国は2015年5月に水防法を改正し、最大規模の高潮浸水想定区域図の作成・公表を関係都府県に求めているが、ハザードマップの整備状況は、洪水(98%)、土砂災害(83%)、津波(92%)と比べて、高潮はわずか21%(2018年度版防災白書より)と極端に遅れており、浸水想定区域を公表しているのはこれまで、東京、千葉、神奈川、兵庫、福岡の5都県にとどまる。
西日本豪雨の教訓や、直近の北九州(佐賀県など)大雨災害の事例を見るまでもなく、住民自らが自分が住む区域の自然災害リスクを“日常的に”心得ておくことは大変重要だ。
〈2019. 09. 11. by Bosai Plus〉