image 『御嶽山噴火 生還者の証言 増補版』より(撮影:小寺祐介氏) - 『御嶽山噴火 生還者の証言<br> 増補版』発売

女性山岳ガイドによる火山遭難の記録を大幅に増補

P6 3 『御嶽山噴火 生還者の証言 増補版』 - 『御嶽山噴火 生還者の証言<br> 増補版』発売
小川さゆり著・ヤマケイ文庫『御嶽山噴火 生還者の証言 増補版』

 山と溪谷社が、小川さゆり著・ヤマケイ文庫『御嶽山噴火 生還者の証言 増補版』を発売した(左写真。本項タイトルカット写真撮影:小寺祐介氏/ 山と溪谷社 提供)。

 2014年9月27日。好天に恵まれ紅葉の最盛期でもあった土曜日の御嶽山山頂は登山者でにぎわっていた。しかし11時52分、突如として水蒸気噴火が発生。火山ガスが噴き出し、巨大な噴石が飛び交うなか、登山ガイドである著者は頂上付近で被災しつつも生還できた……

 御嶽山噴火とはなんだったのか……。その思いを噴火から2年後の2016年に記した書籍『御嶽山噴火 生還者の証言』に新章「噴火から十年」を加筆・増補して文庫化した。
 山岳ガイドである著者本人の記録だけではなく、ほかの登山者や山小屋スタッフなどの証言も収録している。

 著者・小川さゆりさんは、1971年、中央アルプス、南アルプスが映えるまち、長野県駒ヶ根市生まれ。南信州山岳ガイド協会所属の信州登山案内人、日本山岳ガイド協会認定ガイド。スノーボードのトレーニングのため山に登り始め、景色もよく、達成感もあり、すぐに山を好きになる。バックカントリースキーに憧れはじめた25 歳のとき、友人が雪崩で命を落としたという。山は楽しいだけではない、命と向き合うリスクを痛感、「山で悲しい思いをしてほしくない」、そんな思いをもって、中央アルプスをメインにガイドしているという。

 文庫化にあたっては火山学者の及川輝樹氏による解説「火山列島に住むわれわれに必要なもの」も収録。
 火山列島・日本の山に登るすべての登山者に語り継ぎたい貴重な証言集だ。

インプレス:あれから10年。『御嶽山噴火 生還者の証言 増補版』が刊行

〈2024. 09. 24. by Bosai Plus

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