image 能登半島の先端に位置し日本海に面する岬禄剛崎 (ろっこうさき)の空撮写真(石川県観光公式サイトより) 640x350 - 能登半島<br>「創造的復興プラン(仮称)」 <br>読み解き

能登を人口減時代の先進地に “関係人口”拡大がキーワード

能登は、多くの課題を抱える日本にとっての課題の先進地。
あらゆるふるさとの希望の光となれ!

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●能登の復興を わが国の地域の活力を取り戻す“試金石”に
 石川県成長戦略の目標年次・2032年度末までのプラン案
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 令和6年(2024年)能登半島地震からの創造的復興に向けた道筋を示すため、石川県は、被災地の住民へのヒアリングや、アドバイザリーボード会議での有識者からの意見も踏まえながら、「石川県創造的復興プラン(仮称)」を策定することとしているが、去る5月20日、同プランの案をとりまとめ公表した。県では引き続き、調整を進めながら策定を進めるとしている。

石川県:石川県創造的復興プラン(仮称)
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/fukkyuufukkou/souzoutekifukkousuishin/fukkouplan.html

 「石川県 創造的復興プラン」の構成は下記のようになっている――
○序 章……「能登らしさ」
○第1章……「被災状況」
 地震の概要、県内における被害の状況
○第2章……「創造的復興に向けて」
 創造的復興の必要性、スローガン、創造的復興に向けた基本姿勢
○第3章……「プランの位置づけ、対象期間、対象地域」
 プランの位置づけ、期間、対象地域、創造的復興に向けたさまざまな声
○第4章……「創造的復興に向けた取組み」
 施策体系、創造的復興リーディングプロジェクト、具体的取組み、タイムライン
○第5章……「推進体制と進捗管理」
 多様な主体との連携・協力、復興財源の確保、進捗管理、検証と後世への伝承

P1 能登半島の先端に位置し日本海に面する岬禄剛崎 (ろっこうさき)の空撮写真(石川県観光公式サイトより) - 能登半島<br>「創造的復興プラン(仮称)」 <br>読み解き
上写真は、能登半島の先端に位置し日本海に面する岬、禄剛崎(ろっこうさき)空撮写真より(珠洲市(すずし)/石川県観光公式サイトより)。禄剛埼灯台(通称:のろしの灯台)は明治時代に造られた白亜の灯台。この岬は日本海航路の要衝であったため、隔絶された地の割には集落が発展した。今日では、海から昇る朝日と海に沈む夕陽を一望できるロマンチックスポットで、1998年に「日本の灯台50選」に、2017年に「恋する灯台」に認定されている

 「序章」では、能登半島の壮大な自然景観、豊かな生態系、そして人びとの暮らしや文化を紹介。とくに国定公園、トキの保護、伝統工芸、祭りなどを通じて、地域コミュニティの濃厚なつながりを“能登らしさ”として強調している。
 第1章で本年1月1日に発生したマグニチュード(M)7.6の令和6年能登半島地震とそれに伴う津波による甚大な被害――人的被害、住家被害、ライフライン寸断などを報告。
 第2章から、能登の将来を見据えた創造的な復興の必要を訴求、人口減少と高齢化の課題に対処し、地域の活力を取り戻すための基本的方策を提案している。

P2 1 石川県創造的復興プラン「(取組み1)復興プロセスを活かした関係人口の拡大」より - 能登半島<br>「創造的復興プラン(仮称)」 <br>読み解き
石川県創造的復興プラン(仮称)参考資料「マップデータ集」より、石川県創造的復興プラン「(取組み1)復興プロセスを活かした関係人口の拡大」

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●創造的復興のスローガン―能登が示す、ふるさとの未来
 Noto, the future of country
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 創造的復興のスローガンとして――
 「能登の美しい自然、歴史が培った文化は、世界にも誇れる未来に継承すべき唯一無二の財産であり、また能登は多くの課題を抱える日本にとっての様々な課題の先進地でもある。そんな能登で、年の始まるその日に発生した大震災。この痛みと悲しみを乗り越え、これを未来へと続く新たな始まりとしたい。能登が創造的復興を成し遂げ、自然と文化が真に共生する持続的な地域の姿を示すことは、大切な能登を未来に紡ぐだけでなく、日本、そして世界中のあらゆるふるさとの希望の光となる」とし、『能登が示す、ふるさとの未来 Noto, the future of country』を掲げた。

 施策の4つの柱として――
① 教訓を踏まえた災害に強い地域づくり(このうち、創造的復興の象徴的プロジェクトを「創造的復興リーディングプロジェクト」と位置づけ)
② 能登の特色ある生業(なりわい)の再建
③ 暮らしとコミュニティの再建
④ 誰もが安全・安心に暮らし、学ぶことができる環境・地域づくり

 「創造的復興プラン(仮称)案」は、「地域が考える地域の未来を尊重する」、「あらゆる主体が連携して復興に取り組む」、「若者や現役世代の声を十分に反映する」など12の基本姿勢に基づき、「創造的復興リーディングプロジェクト」を通じて創造的復興をめざす。
 対象期間は、石川県成長戦略の目標年次である2032(令和14)年度末までの9年間で、「短期」(2年後の2025年度末)、「中期」(5年後の2028年度末)、「長期」(9年後の2032年度末)。

 注目されるのは13の取組みで構成する「創造的復興リーディングプロジェクト」だ。地域の活力を維持向上させていくには、定住人口や交流人口の拡大に加え、“関係人口”の拡大を図ることが最重点課題と明記、「復興プロセスを活かした関係人口の拡大」において、「二地域居住モデル」を提起している。

 これは、震災により人口減少が20年早まるといわれるなかで、都市と地方の双方に生活拠点を持つ「二地域居住」の「能登モデル」を推し進めようというもの。また、「能登農林水産業ボランティア」の受入れ促進や、高速道路や域内の「珠洲道路」「門前道路」の高規格化による金沢と能登を結ぶ移動時間の短縮などもあげられている。
 まさに、被災地・能登を、多くの課題を抱える日本にとっての課題解決の先進事例としなければならない。

P2 2 小地域ごと高齢人口・高齢化率分布(6市町/2020年) - 能登半島<br>「創造的復興プラン(仮称)」 <br>読み解き
小地域ごと高齢人口・高齢化率分布(6市町/2020年)
P2 3 里山里海の景観と景観計画 - 能登半島<br>「創造的復興プラン(仮称)」 <br>読み解き
里山里海の景観と景観計画
P2 4 基本道路交通量(主要な道路とその交通量) - 能登半島<br>「創造的復興プラン(仮称)」 <br>読み解き
基本道路交通量(主要な道路とその交通量)

石川県:令和6年(2024年)能登半島地震復旧・復興本部について
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kikaku/r6notohantoujishinfukkouhonbu.html

〈2024. 06. 01. by Bosai Plus

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