「防災チャットボット」実用化 全国初の実証訓練
8月4日に
日本各地で「スマート情報システム」による防災訓練や実証実験を計画。本格的に社会実装へ
AI(人工知能)技術やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等を活用した情報の収集・整理・提供を行えるシステムの構築を主な目的とする「AI防災協議会」が、本年6月18日、設立された。政府が情報提供するなど、産・官・学連携の組織となるもので、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で研究開発されている「人工知能(AI)技術やSNS等を活用した災害時情報収集」のしくみ構築の一環となる。
協議会の主なメンバーは18自治体(設立時点)のほか、国立研究開発法人防災科学技術研究所(NIED)などの研究機関、民間から株式会社ウェザーニューズ(WNI)、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社、東京海上ホールディングス株式会社、ヤフー株式会社、LINE株式会社、ワークスモバイルジャパン株式会社の6社。
神戸市は参加自治体のひとつで、協議会最初の取組みとして来たる8月4日に、神戸市消防局が主催して『消防団スマート情報システム』の構築に向けた「防災チャットボット」実用化に向けた全国初となる実証訓練を実施する。訓練参加者は、神戸市消防団員、消防職員、危機管理室など。
「防災チャットボット」とは、“チャットボット”(「チャット」と「ロボット」の造語で「ChatBOT」との表記も。テキストや音声を通じて、自動的に会話・応答するコンピュータプログラム)の防災活用版。LINEなどのSNSを通して自律的に被災者とコミュニケーションを取り、対話のなかから効果的な避難行動や安否確認、そして不足物資、被災状況などの災害関連情報を自動で抽出・集約する。さらには最寄りの避難所など、被災者に必要な情報を自動で提供することも可能とする次世代のシステムだ。
8月4日の実証実験は市民防災総合センター3階講堂で行われ、神戸市の消防団員がLINEを活用して、災害現場に関する情報を「防災チャットボット」に送信、これを人工知能(AI)が整理・集約して地図上に情報を反映して、災害現場で約4000人の消防団員が把握した災害情報をリアルタイムで共有化する「消防団スマート情報システム」の構築を図る。
今回の実証実験の協力機関は、LINE、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、防災科学技術研究所、ウェザーニューズ、NPO法人コミュニティリンクなどとなっている。
>>神戸市:『消防団スマート情報システム』の構築に向けた実証訓練
〈2019. 08. 10. by Bosai Plus〉