広域大規模災害に備え、潜在看護職を活かそう
潜在看護職――看護師・保健師等の免許を持ちながらも育児や介護等の事情で離職、災害時に協力要請
南海トラフ地震の危機感が高まる中で、愛知県西部、名古屋市や豊明市、刈谷市の南に突き出した知多半島では、大規模広域災害時に外部からの救助が到着するまでに時間を要することが懸念されている。
日本福祉大(愛知県美浜町)はこのほど、「潜在看護職を活用した新たな地域包括ケアと災害にも強い地域ネットワークを築く調査・研究事業」を課題名として、厚生労働省令和元年度老人保健健康等増進事業に採択されたとして、看護師などの免許を持ちながら就業していない潜在看護職人材の発掘に乗り出すことを発表した。
大災害の発生直後に、応急処置などの初期対応に当たってもらうのが目的で、知多半島の沿岸部に位置する4市3町(東海市・知多市・半田市・常滑市・美浜町・南知多町・武豊町)の連携・協力のもと2020年3月まで実施する。今後、自治体を通して協力者を募り、自治体ごとに潜在看護職としての登録を依頼、災害時の協力体制の組織化に向けた研修を行う。
同大によると、潜在看護職に着目して地域住民による共助のネットワークづくりを試みる事業は全国で初めてだという。
潜在看護職とは、看護師・保健師等の免許を持ちながらも育児や介護などの事情で離職している人たちを指す。
ちなみに本紙は2016年11月8日付けで「眠れる看護師を『防災ナース』に」と題して、一般社団法人ナイチンゲールスピリット連盟(東京都)を母体とするPINK CROSS PROJECT実行委員会による潜在看護師を発掘・育成する事業『PINK CROSS 防災ナース』を紹介している。
>>日本福祉大学:潜在看護職を活用した災害時にも強い地域ネットワーク構築
>>防災情報新聞 2016年11月8日付け:〈PINK CROSS PROJECT〉『防災ナース』発掘・育成事業始動!
〈2019. 08. 09. by Bosai Plus〉