発展途上国での災害脆弱性を襲う マウイ島市街大延焼も
●2023年の自然災害 【海外編】
2023年の海外での自然災害を振り返ると、住宅耐震性の貧弱な地域での大規模地震をはじめ、洪水、ハリケーンなど気象災害による大きな災害が目立った。
以下、レスキューナウによる「〔海外〕2023年の災害を振り返る」より抄録（死者など被害概要はレスキューナウの収録時点での数値）。
【 2月 】 トルコ・シリアでM7級の地震が相次いで発生。2023年2月6日04:17頃、トルコ南東部のシリアとの国境付近を震源としたM7.8の地震が発生。また、同日の13:24頃には、M7.5の地震が同じくトルコ南東部で発生した。一連の地震で、トルコ側で3万5000人以上、シリア側でも5000人以上の死者を確認。
【 3月 】 熱帯低気圧によりアフリカで大規模な被害。2月6日、オーストラリアの北西の沖合いで発生した熱帯低気圧「フレディ」が2月下旬にはアフリカ大陸南東部に到達。21日にはマダガスカル、24日にはモザンビークに上陸。その後、3月11日に2回目のモザンビーク上陸後、隣国のマラウイも襲った。570人以上が死亡、被災者は50万人超。
3月下旬、米国で南部や中西部を中心に竜巻の発生が相次ぎ、60人以上が死亡したほか、広い範囲で家屋損壊や停電などの被害が発生。
【 5月 】 5月4日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国東部が大雨に見舞われ、地元当局は死者が少なくとも400人以上と発表。国連などによると、数百人が行方不明。
5月14日、大型のサイクロン「モカ」がミャンマー西部のラカイン州に上陸。死者は400人以上とされるが、この死者数は政権を握る軍に敵対する民主派組織の発表によるもの。
【 7月 】 韓国で7月9日から17日にかけて活発な梅雨前線の影響で大雨となって各地で浸水や土砂崩れなどの被害が相次ぎ、44人が死亡、6人が行方不明。
【 8月 】 米国ハワイ州のマウイ島西部で8月8日、山火事が発生、約9平方kmが焼損。被害は沿岸の市街地に及び、ラハイナでは2200軒以上の建物が焼損。市街地の火災は、18日までに9割が鎮火。この火災で97人の死亡が確認され、ハワイ州での自然災害による死者として最多、米国での山火事による死者も過去100年余りで最多。
【 9月 】 9月8日23:11頃、北アフリカのモロッコ中部を震源とするM6.8の地震が発生。この地震で簡素な造りの住宅が多数倒壊し、中部アルハウズ県を中心に2900人以上が死亡、6000人以上が負傷。また、山間部の広範囲で大きな被害が出ており、全壊または部分損壊した住宅は少なくとも5万戸(モロッコ王室発表)。
【 10月 】 アフガニスタン西部で大地震が相次ぎ、一連の地震で、震源に近いヘラート州の中心都市ヘラートやその郊外で家屋の損壊が相次ぎ、1000人以上が死亡。
10月25日00:25頃、ハリケーン「オーティス」がメキシコ南部に上陸、人的被害は死者46人、行方不明者は58人。
【 11月 】 11月4日、ネパール西部で地震 少なくとも157人死亡。
10月下旬以降、アイスランド南西部のレイキャネス半島で火山活動に伴う地震が多発、11月11日には、火山噴火の可能性が高まったとして、政府は非常事態を宣言し、グリンダビークのおよそ3000～4000人の住民に対し、避難命令。
【 12月 】 12月3日14:54頃、インドネシア・スマトラ島マラピ山(標高2891m)で火山噴火。登山客75人が滞在しており、噴火に巻き込まれてこれまでに23人が死亡。
2023年12月18日23:59頃、中国甘粛省臨夏回族自治州積石山県で地震が発生、死者少なくとも149人、行方不明2人。
〈2024. 01. 14. by Bosai Plus〉