熊本地震被災地で生まれた地震対応のノウハウ
マンション地震対応支援協会の「マンション地震対応箱 MEAS」の活動が評価され、公益財団法人日本デザイン振興会主催の2023年度グッドデザイン賞で、「グッドデザイン・ベスト100」、「グッドフォーカス賞〜防災・復興デザイン(日本デザイン振興会会⻑賞)」を受賞した。
「マンション地震対応箱 MEAS」は、熊本地震でマンション管理組合や住⺠が行った対応手順を古賀一八・福岡大学工学部教授の監修のもとでまとめたもので、MEASは“Mansion Earthquake Action Sheet box”に由来している。
被災経験のないマンション住⺠の多くは、大規模地震で被災したら、「マンションや自宅がどのような被害を受けるのか」「マンションでどのような対応が必要になるか」を知る機会が少ない。しかし、マンションを対象にした被災〜復旧までの対応を支援する防災ツールはこれまでなかった。そこで、被災時に的確に対応するために「被災時の道標」となる“救急箱”の備えがあればいいということになる。
「マンション地震対応箱 MEAS」では、被災時になにをすればいいのか、シートの指示に従って住⺠が動くことで震災時の対応が時系列に系統だってできる。シートの指示は心理にも配慮した色使いで、デザイン面からの被災者へのアプローチも配慮。
「マンション地震対応箱 MEAS」はもともと2019年に開発され、リニューアルを重ね、「被災時の道標」(マンション防災の救急箱)として、マンション住⺠が取るべき対応を順序立て、ツールとしてデザインすることで、さらに使いやすくした。 マニュアルではなく人が行動しやすい「指示書(アクションシート)」であることが特徴となる。
被災状況を把握する「構造被害状況調査」、震災復旧の流れを知る「震災復旧の全体マニュアル」、建物の復旧に役立つ「復旧工事」方法・費用マニュアルは冊子で、マンション住⺠への情報「掲示物」はシートで、災害対策本部に張り出す「震災後の管理組合の活動モデル」はポスターで用意した。
マンション地震対応支援協会では今回リニューアルした「地震対応箱 MEAS」の予約受付を年内に開始し、2024年1月から販売開始予定。これまでのネット販売から、購入者には「地震対応箱活用セミナー」「マンション防災のコミ ュニティ」等のサービスの提供を始めるという。
マンション地震対応支援協会:「マンション地震対応箱MEAS」
〈2023. 10. 19. by Bosai Plus〉