「しが防災プラスワン~女性の視点と多様性~」
啓発カードの注目例
――災害出動・出勤する“要員家族”の見守り・ケアの仕組みを
――昼間に地域にいる人だけの訓練

●防災対策において見落としがちな課題とその対応策について学ぶ

 滋賀県が啓発カード集「しが防災プラスワン~女性の視点と多様性~」(Ver.1)を去る6月に作成・公表している。これまで防災対策は健常な男性の視点で考えられがちだったが、女性をはじめ多様な人たちの立場・視点で考える必要があることから、防災対策において見落としがちな課題とその対応策について学び、これからの防災対策を考える趣旨だ。

 啓発カード集は、有識者や防災士、地域で防災活動をしている女性、社会福祉協議会職員、大学生など様々な立場の人たちからのアドバイスをもとに、14枚のカードにまとめたもので、滋賀県では、家庭での学びや地域、職場などで実施される研修の際の活用を呼びかけている。

▼「しが防災プラスワン~女性の視点と多様性~」のポイント
・防災研修の際、防災対策の基礎にプラスワンし、自分だけでなく、様々な人の立場・視点で防災対策を考えるきっかけにできる
・研修会や勉強会など、様々な場面に応じて取り入れてもらいやすいように、1枚ずつカード化(引き続き、意見等を反映して内容を充実させていく予定)
・誰でも気軽に使える(著作権フリー、利用目的に応じてカードの組合せも可)

滋賀県:「しが防災プラスワン~女性の視点と多様性~」 (PDF:3 MB)

●地域防災の“プラス・ワン”の課題・視点・提言を提起

 啓発カード14枚のなかには、地域防災活動プロを自負する人にも、新たな視点、“取り組むべき新たな課題”を提起してくれる。例えば――啓発カード「人材育成と支え合い」には「出動・出勤する人を支えよう」として、災害時に出動・出勤する消防や警察、医療・福祉関係者、担当職員などの家族の見守り・ケアの仕組みを提案し、託児所などの開設や支援者が出動する人の留守宅で家族に付き添うなどの検討を促す。

P5 1 啓発カードより「出勤・出動する人を支えよう」 - 滋賀県 啓発カード集<br>「しが防災プラスワン」の深堀り視点
啓発カードより「出勤・出動する人を支えよう」

 また、「地域防災の実践」では「昼間に地域にいる人だけの訓練」を提案、さらに「多様な人の防災」では「大学生をはじめとした若者の防災」について、地域防災に疎遠になりがちな若者(ある意味で災害弱者)とつながり、彼らを防災戦力とする取組み、そして「子どもと防災」(遊び場の確保など)、「支援者が注意したいこと」(分散避難者支援などでは支援者が男女ペアで訪問など)、まさにこれまでの「要支援者視点・女性視点」にさらに“プラス・ワン”の課題・視点・提言を啓発カードは提起している。

P5 2 啓発カードより「防災訓練を工夫しよう~(昼地域にいる人たちの訓練)」 - 滋賀県 啓発カード集<br>「しが防災プラスワン」の深堀り視点
啓発カードより「防災訓練を工夫しよう~(昼地域にいる人たちの訓練)」
P5 3 啓発カードより「若者の防災を考えよう」 - 滋賀県 啓発カード集<br>「しが防災プラスワン」の深堀り視点
啓発カードより「若者の防災を考えよう」

滋賀県「しが防災プラスワン~女性の視点と多様性~」(Ver.1)を作成

〈2022. 11. 15. by Bosai Plus

コメントを残す