image 「ユース語りべが持つ心のケア力」報告会のちらしより - 若者が自らの被災体験を語る<br>「ユース語りべ」に大きな可能性

「ユース語りべが持つ心のケア力
& 防災教育推進力向上事業 報告会 第2回パイロット事業」

《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》

 「ユース語りべが持つ心のケア力&防災教育推進力向上事業 報告会」(主催=一般社団法人 子どものエンパワメントいわて)が去る8月28日、学生や防災に関心のある人などの参加を募ってオンライン(zoom)ミーティングを開催、27人が参加した。

「ユース語りべが持つ心のケア力」報告会のちらしより - 若者が自らの被災体験を語る<br>「ユース語りべ」に大きな可能性
「ユース語りべが持つ心のケア力」報告会のチラシより

 報告会は、東日本大震災の震災体験を語る若者「ユース語りべ」のインタビューを通し、語りが持つ心のケア「力」と防災教育推進「力」を明らかにして防災教育プログラム化しようというもの。

 17人へのインタビューと災害・教育・心のケアの専門家や実践者が、「なぜ語る」、「何を語る」、「語りが自分に与えた影響は?」、「語りが聞き手に与えたインパクトは?」などを一緒に模索、東日本大震災以外の被災地からの参加者との語らいを通し、災害体験の語りが持つ意味をより深く追求することが目的だ。

■東日本大震災から数年、震災体験を語る若者たち「ユース語りべ」

 諏訪清二氏(防災学習アドバイサー・コラボレーター)の進行で行われ、zoomのブレイクアウトルームに分かれて「ユース語りべ」から当時の話を聞いた。

 宮城県石巻市に住んでいた当時高校1年生の男性は、津波で家ごと流されて、倒壊した家屋から祖母と2人で冷蔵庫の中にあったヨーグルトやコーラ、牛乳、水を口にしながら、寒さに耐えて9日ぶりに救出された時の状況を話した。現在は大学卒業後、就職で地元に戻り語りべとして活動開始している。

■ユース語りべの重要性

ユース語りべからは「自分よりも若い人たちに、東日本大震災体験をどのように伝えていけばいいかを考えていきたい」、また参加者からは「若者から自らの体験を直接聞くことで防災意識が高まる」、「いろいろな人とつながる場作りが必要」などの感想が述べられた。

 東日本大震災だけではなく様々な地域で発生する自然災害の被災体験を、若者たちが自らの言葉で語る機会を設けて、続く世代が、そして年配の世代が、今後の災害に対してそれぞれの教訓を得て、防災意識を高めることを期待したい。

※掲載チラシについては主催者の掲載承諾を得ています(片岡幸壱、編集部)。

▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
 神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障がいを持つ防災士としても活躍中。

▼参考リンク:
一般社団法人 子どものエンパワメントいわて

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