埼玉県立日高特別支援学校、
「ぼうさい甲子園 特別支援学校・団体の部」大賞を受賞
《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》
「かわせみ防災クエスト」(監修=マッシュ&ルーム)は、埼玉県立日高特別支援学校(齋藤朝子教諭)が、コロナ禍でこれまでのように皆で防災学習ができなくなったなか、試行錯誤をして作成した防災学習の形である。この取組みは「1.17防災未来賞『ぼうさい甲子園(2021年度)』特別支援学校・団体の部」で「ぼうさい大賞」を受賞した。
「かわせみ防災クエスト」は、日高特別支援学校防災委員会の児童・生徒、教職員がミッションに必要な画像・動画の撮影を準備して校内に設置、GIGAスクール構想により一人一台用意されたiPadを使ってQRコードで読み取り、発達段階を考慮して体験を中心に取り組みやすいと思われる共通問題7問と、学部ごとに難易度が変わる学部問題3問の計10個のミッションに挑戦していくというもの。
「かわせみ防災クエスト」の流れは、校内に掲示されているQRコードを各自のiPadを使って読み取り、モンスターを倒した後、問題(一部、動画有り)が表示されて、正解するとメダルが獲得できる。ドラゴンクエストのようなゲーム形式で、児童・生徒の興味・関心を引き、意欲的に防災学習に取り組める内容だ。
今回の「かわせみ防災クエスト」には諏訪清二氏(防災学習アドバイサー・コラボレーター)も挑戦した(写真)。齋藤朝子教諭は、「コロナ禍でこれまでのような防災学習ができなくなりましたが、ICTを活用することで『やってみたい』と思えるような楽しく学べる『かわせみ防災クエスト』ができました。発想の転換でもっと新しい形の防災学習もできるのではないかと考えています」と感想を述べた。
冒険をしているかのように楽しみながら、防災知識を身につけられる防災教育として、今後も継続されることを期待したい。
※掲載写真について、齋藤朝子教諭、諏訪清二氏の掲載承諾を得ています(片岡幸壱、編集部)。
▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障がいを持つ防災士としても活躍中。
▼参考リンク
・埼玉県立日高特別支援学校
(防災教育からのお知らせ)
・「月刊実践みんなの特別支援学校教育」(学研教育みらい)
(2022年2月号「実践1 分身ロボットや校内ミッションで楽しく主体的に学ぶ防災学習」)