想定震源域は M7の「地震多発地帯」
中央防災会議防災対策実行会議のもとに設置された「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ(WG)」は、 防災対応に資する情報発信の必要性等を検討するため、南海トラフと同様の仕組み(南海トラフでは「臨時情報」の名称)を検討する「日本海溝・千島海溝沿いにおける異常な現象の評価基準検討委員会」(以下、「異常現象評価検討委」)をWGのもとに設置した。
異常現象評価検討委は、M8程度の地震が発生する「半割れケース」、M7程度の地震が発生する「一部割れケース」、異常な地殻変動が観測される「ゆっくりすべりケース」に相当する現象の評価基準を明確にし、 科学的観点から各ケースに該当する現象の評価基準を検討。2021年10月7日に、「日本海溝・千島海溝沿いでM7以上の地震が発生した場合、より大きな後発地震への備えを住民に注意喚起するのが適切」とする報告書案をまとめた。
ただ、南海トラフ「臨時情報」も確度の高い予測は困難とされており、日本海溝・千島海溝の想定震源域では1904年以降にM7級以上が64回発生し、約2年に1回の頻度でM7以上の地震が起こる「地震多発地帯」で、その実効性には疑問もある。
〈2022. 01. 09. by Bosai Plus〉