歴史資料一般の翻刻プラットフォームへ発展
本紙は4年前の2017年2月22日付けで「みんなでクラウド防災」と銘打って『みんなで翻刻』を紹介した。これは京都大学古地震研究会の活動の一環として企画されたプロジェクトで、「市民参加で地震史料を後世に残し、新たな史料発掘を」という趣旨でWebアプリ「みんなで翻刻・地震史料」を公開した。
古い地震史料の翻刻(ほんこく=くずし字などで書かれている古文書を一字ずつ現代文字に活字化する作業)を可能とするパソコンやタブレット向けのWebアプリで、研究者が一般市民を巻き込んで、一緒に歴史災害研究や史料のテキスト化・保存などに取り組もうというものだ。
>>WEB防災情報新聞(旧サイト) 2017年02月22日付け:衆知を集めて「クラウド防災」=1=
古地震研究会ではその後、2019年7月のリニューアル公開を経て、『みんなで翻刻』の翻刻対象を歴史資料一般に拡大した新バージョンを開発、歴史資料一般の翻刻プラットフォームへと発展させた。地震史料に加えて、災害史とその時代環境・背景についても、過去のあらゆる文字情報の再検証が行われることになる。
新バージョンの『みんなで翻刻』では複数の翻刻プロジェクトを並行して運用することが可能となり、2021年2月時点で13機関の公開資料・計1890点を翻刻対象として登録。計15件のプロジェクトで、1300名を超える人びとがこれら資料の翻刻に取り組んでいて、参加者が入力した翻刻文の合計は1200万文字を超えたという。
〈2021. 04. 19. by Bosai Plus〉