避難しようという心を、どう導くか――
最後は「あなた」の判断

 片田敏孝・著『人に寄り添う防災』が集英社新書として2020年9月17日に発行されている。台風、大雨、津波――生死を分ける緊急時にあなたは「主体的に」避難できるか? 最後は「あなた」の判断――本書は、3・11の“釜石の奇跡”で知られる著者が問う、画期的な防災論として話題になっている。

P6 2 片田敏孝・著『人に寄り添う防災』 - 【 新刊 】片田敏孝・著<br>『 人に寄り添う防災』
片田敏孝・著『人に寄り添う防災』(集英社新書)の表紙より

 本書では、被災地でのフィールドワークや、内閣府「中央防災会議」での議論を紹介しながら、どうすれば人が「避難」という主体的な行動に踏み切ることができるのかを考察する。人を動かすのは、行政に与えられたマニュアルではなく、様々なコミュニケーションによって醸成された「心」ではないか。「防災は人の科学であり、災害対応を対象としたコミュニケーション・デザイン」であると片田氏は言う(本文より)。

 「避難しようという心を、どのように導くのか」――高齢者・要支援者の避難誘導や、非常時において情報提供者が実践すべきコミュニケーションの要諦など、具体例に基づいた「命を守るための指針」を提言する。片田敏孝氏は東京大学大学院情報学環特任教授。内閣府中央防災会議をはじめ、多くの委員会、審議会に携わり、防災行政の推進にあたっている。ロングセラー『人が死なない防災』の著者による待望の新著。

▼集英社新書 価格:本体780円+税
>>集英社新書:片田敏孝・著『人に寄り添う防災』

〈2020. 11. 15. by Bosai Plus

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