「まちづくり／まちなか＋防災テック」で
わがまちあげての防災イベント
「まちづくり／まちなか＋防災」の“地場”防災イベントが各地で目立つ。まちづくり／まちなかで防災意識向上を図り、そこに「＋防災テック」もからめたわがまちあげてのイベント――その事例を、東京都渋谷区と福岡市に見てみる――
● 東京都渋谷区 「防災」を楽しみながらも「もしも」に備える「まちパスポート」
東京都渋谷区まちづくり事業を推進する株式会社イースマイリー（東京都渋谷区）は、昨年（2024年4月〜6月）渋谷区不動通商店街振興組合が主催する謎解きまち歩きプロジェクト「まちパスポート」イベント実施にあたって、その冊子「まちパスポート」の編集・発行を支援した。「まちパスポート」は、同振興組合に加盟する20店舗と連携、イベント参加者は各店舗に設置された謎解きに挑戦しながら商店街を巡り、さらに20問の謎を解き明かすと、「最後の謎」に挑戦、正解者には抽選で賞品が贈られるというもの。冊子「まちパスポート」は1000部発行され、小中学生を中心に無料配布した。
本年2025年の渋谷区不動通商店街振興組合「まちパスポート」のテーマは「防災」で、2月23日に開催する同組合が主催する地域イベント「くるくる商店街」で「まちパスポート」配布を開始、3月30日までプロジェクトを実施中だ。「防災」をテーマに、楽しみながらも「もしも」に備えられる次の内容を盛り込み、本年は2000冊を無料で配布している。
「まちパスポート」で避難場所や一時集合場所に指定されている公園や施設を巡り、地域の防災情報を楽しく学んで、万が一の備えを確認。また、人気アプリ「Pokémon GO」のルート機能を活用、近隣の避難所や設備情報を掲載した「Pokémon GO」×伊藤園の公式ルートを商店街に登場させ、振興組合加盟店117店の店舗情報（グルメ／ショッピング／美容・健康／他サービス）も網羅している。同プロジェクトは、渋谷区商店会等イベント事業費補助金のほか、民間企業からの協賛・協力も得ている。
イースマイリー：楽しみながら防災意識を高める「まちパスポート」
● 福岡市 「＃福岡市ツナガルプロジェクト」 3月1日から「防災」広告展開
福岡市は、市民の防災意識向上と防災アプリ「ツナガル＋(プラス)」の普及促進を目的とした新たな取組みとして、本年3月1日から、「＃福岡市ツナガルプロジェクト」を開始する。市民が防災について考え、身近な問題としてとらえるきっかけを提供することをめざし、福岡市内の地下鉄、バス、JR、SNSなど20種類のメディアで広告展開を行う。
それぞれの広告では、防災教訓と福岡市の防災アプリ「ツナガル＋(プラス)」を紹介する。「ツナガル＋」は、災害時避難行動や避難生活の支援に特化したスマートフォンアプリ。避難所の位置や設備を一覧・地図で表示し、避難所へのルート確認も可。大規模災害時には市との情報共有も可能だ。基本的な機能はアカウント登録不要でだれでも利用可能。
大規模災害が発生した場合、アプリが自動的に災害時モードに切り替わると同時に通知が配信される。災害時モードでは、平常時から利用できる機能に加え――
○ 避難所の電子掲示板として情報共有
通勤や通学などで避難所を不在にしていても、アプリ上で情報入手可能
○ 市からの支援情報を入手
在宅避難でも、アプリを通じて市からの物資支援の情報などを入手可能
○ 指定外の避難所から市への情報発信
指定避難所に入れず公園や駐車場などに避難した場合でも、アプリ内で指定外避難所を作成し、福岡市に避難場所や被災状況を発信可能
ちなみに、「＃福岡市ツナガルプロジェクト」は、計20種の広告からそれぞれ赤色の1文字を抜き出し並べ替えると「ふくおかけんせいほうおきじしんから20年」というメッセージが完成する仕組みとなっている。
福岡市：防災アプリ「ツナガル＋(プラス)」、防災に関する20種類の広告を展開
〈2025. 03. 04. by Bosai Plus〉