被災県を「即時応援」するカウンターパート県
庁舎から庁舎までの陸路距離・移動時間が基準――被災ケースごとの組合せも
総務省は2月12日、南海トラフを震源とする巨大地震が起きた際、大きな被害が想定される静岡から宮崎までの太平洋沿岸10県に応援職員を出す「即時応援県」(カウンターパート支援)を事前に指定、公表した。南海トラフ巨大地震発生時には被災自治体を速やかに支援できるよう、平時から自治体間で情報共有や合同訓練を進める。4月からの運用をめざすとしている。
「即時応援県」の指定にあたっては、応援職員派遣の迅速性を確保するため、移動距離や時間が考慮されている。例えば、即時応援県の庁舎から重点受援県の庁舎までの陸路距離や平時の移動時間が基準となっている。また、応援計画では、各県の被害規模(避難者数や建物倒壊数)をもとに応援が必要な地域を特定し、それに応じた応援を行う。とくに被害が大きい地域には、職員規模が大きい県や複数の県が応援にあたる。
各県や指定都市間にはすでに相互応援協定が結ばれているケースがあり、これを尊重して応援計画が策定されており、より円滑な応援活動が可能となるとしている。
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応援内容は、避難所の運営や罹災証明書の発行などを支える活動を想定している。過去の災害における“カウンターパート支援”では応援に入った他自治体の職員が現地の事情や地理に不明で、現場が混乱する事例もあったことから、総務省は、国としてあらかじめ応援自治体を決めておくことで、平時から合同で研修や訓練を実施し、役割分担などを確認しあえることを期待している。
「即時応援県」の組み合わせ方としては、基本的な考え方として、被害想定を踏まえ、緊急消防援助隊アクションプランと同様に4ケース(中部地方、近畿地方、四国地方、九州地方のそれぞれが大きく被災するケース)ごとに受援県と応援県の組合せを作成。4つのどのケースにおいても必ず重点受援県に対して応援に入る県を1団体ずつ決定。
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即時応援県等と重点受援県間の組合せは、「既存の相互応援協定等」、とくに具体的なカウンターパートの存在を前提に、その他の考慮要素を踏まえて、即時応援県等・重点受援県の組合せを検討する。
既存の相互応援協定等に基づく具体的なカウンターパートが存在しない場合、また既存の相互応援協定等に基づく具体的なカウンターパートによると応援に著しい偏りが生じる場合には、「移動距離・時間」、「被害規模」、「職員規模」の考慮要素を重視した調整の検討を行うとしている。
〈2025. 02. 19. by Bosai Plus〉