“刺激的”調査も――「被災地・被災者責任調査」とは

 関西(かんせい)学院大学は、阪神・淡路大震災の被災地・兵庫県西宮市にある大学として、学生を中心としたボランティア活動や教員による復旧・復興の研究を震災直後から行ってきた。2004年1月に「災害復興制度研究プロジェクト」がスタート、2005年1月17日に独立した研究所として「災害復興制度研究所」が誕生した。

P4 3 関西学院大学災害復興制度研究の紹介動画より - 関西学院大学災害復興制度研究所<br>「阪神・淡路大震災<br>30年祈念事業・研究」
関西学院大学災害復興制度研究の紹介動画より

 関西学院大学災害復興制度研究所は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災から30年となる2025年を前に、祈念事業および研究を開始する。阪神・淡路大震災30年の遺産、教訓を抽出する調査や「創造的復興の意味」を探るアンケート調査を行うほか、震災復興や被災者支援に尽力してきた人びとへのインタビュー動画をアーカイブとして保存・公開。また、来年(2025年)1月11日・12日には、復興減災フォーラムの開催を予定している。

 同研究所では、祈念事業と研究計画の趣旨を「災害復興の思想を再構築して、未災地への提言・教訓にすること」とし、阪神・淡路大震災の「遺産」「教訓」を今一度抽出するため、「通常、庇護されるべき被災者、同情や思いやりの対象となるはずの被災地に『責任を果たせ』と迫る調査」も実施予定だという。その「責任」とは――

●被災地・被災者責任調査とは

 「被災者責任」あるいは「被災地責任」という言葉は、通常、庇護されるべき被災者、同情や思いやりの対象となるはずの被災地に「責任を果たせ」と迫るもの。被災者・被災地にとっての「責任」や、責任を果たすべき「使命」とはなにか。
 被災地となった神戸や周辺地域では、その問いに答えようとした人が少なからずいたという。その人たちが果たした「被災者責任」とは、また、果たせなかった「被災地責任」とは、それぞれどのようなものだったのか。

 同研究所によるこの調査では、改めて過去に向き合い、未来に視線を投じて2つの「責任」を考えることにより、わが国の災害史における阪神・淡路大震災の位置づけと、神戸など同震災の被災地がこれからの未災地に向けて果たすべき役割を考える趣旨だとしている。

関西学院大学災害復興制度研究所:阪神・淡路大震災30年祈念事業・研究

〈2024. 09. 27. by Bosai Plus

コメントを残す