image 「8月26日は火山防災の日」(気象庁資料より) 800x316 - 8月26日は「火山防災の日」<br> 活動火山を知ろう!

「8月26日」は、
浅間山に日本で最初の火山観測所が設置されて
観測が始まった日

●「火山本部」開設と「8月26日『火山防災の日』」制定

 本年4月1日付で文部科学省に「火山調査研究推進本部」(以下、略称「火山本部」)が新たに設置された。本部長を文部科学大臣として、火山学者や防災の専門家、気象庁などの関係機関で構成、その役割は――

① 火山の観測、測量、調査及び研究の推進について総合的かつ基本的な施策を立案
② 関係行政機関の火山に関する調査研究予算等の事務の調整
③ 火山に関する総合的な調査観測計画の策定
④ 火山に関する観測、測量、調査または研究を行う関係行政機関、大学等の調査結果等の収集、整理、分析および総合的な評価
⑤ 上記の評価に基づく広報などを一元的に推進

P3 2 常時観測火山(気象庁資料より) - 8月26日は「火山防災の日」<br> 活動火山を知ろう!
常時観測火山(気象庁資料より)

 これらを通じて、火山防災の司令塔として必要な調査・観測、研究の計画を立て、さらに火山災害が発生した際に研究を集約し、見通しなどを検討・評価する。阪神・淡路大震災をうけて1995年にできた文部科学省の特別の機関・地震調査研究推進本部(略称・「地震本部」)の火山版となる。

文部科学省:火山調査研究推進本部(火山本部)

P3 1 「8月26日は火山防災の日」(気象庁ポスターより) - 8月26日は「火山防災の日」<br> 活動火山を知ろう!
「8月26日は火山防災の日」(気象庁ポスターより)

 この火山本部の開設と同時に、「8月26日を『火山防災の日』」とすることが発表された。国民の間に広く活動火山対策についての関心と理解を深めることを目的としている。「8月26日」は、1911(明治44)年、浅間山に日本で最初の火山観測所が設置されて観測が始まった日で、気象庁では4月1日、「火山防災の日」特設サイトを開設した。

気象庁:「火山防災の日」特設サイト

 今後は、「火山防災の日」を通じてさらに多くの人びとに火山防災の重要性を理解してもらうため、以下の取組みの展開が期待されている。
・教育プログラムの充実:学校教育において火山防災に関するカリキュラムを導入し、子供たちに火山災害への備えを教える
・地域防災計画の強化:火山防災計画を策定し、住民参加型の防災訓練を実施
・技術の進歩:火山観測技術の向上、噴火予知の精度を高めるための研究開発を進める
・国際協力の推進:火山防災に関する国際的な情報共有や協力体制を強化し、グローバルな視点での防災対策を推進

●「もっと火山を知る」――本年開催予定の主な火山防災イベントをチェック!

 日本には111の活火山があり、世界の火山の7%を占める火山大国だ。これまで数多くの火山災害に見舞われてきたが、近年では、2014年に戦後最悪となる死者・行方不明者計63人を出した御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火がある。
 桜島は現在も噴火活動が盛んだが、1914(大正3)年1月12日に始まった噴火では、20世紀以降に日本で起きた火山噴火で噴出物量では最大、噴火中の桜島地震による死者等を含めて死者行方不明者58名を出し、噴火前は島であった桜島は、溶岩流出によって大隅半島と陸続きになった。

 このように、火山は時として大きな災害を引き起こす。災害の要因となる主な火山現象には、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、小さな噴石・火山灰、火山ガスなどがある。また、噴出された岩石や火山灰が堆積しているところに大雨が降ると土石流や泥流が発生しやすくなる。大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は噴火に伴って発生し、その周縁に人びとの生活圏があれば、避難までの時間的猶予はほとんどなく、生命に対する危険性が高いため、防災対策上重要度の高い火山現象となる。

 火山研究者によれば、各地の火山のマグマが蓄積されている可能性があり、1707年の富士山噴火クラスの大噴火が21世紀中に5、6回起きてもおかしくないともされている。
 本年予定されている主な火山防災関連シンポジウムは下記リンクから。

気象庁:もっと火山を知る ~2024年8月8日イベント情報更新

P3 3 火山防災関連の開催中・開催予定のイベント - 8月26日は「火山防災の日」<br> 活動火山を知ろう!
P3 4 火山防災関連の開催中・開催予定のイベント - 8月26日は「火山防災の日」<br> 活動火山を知ろう!
火山防災関連の開催中・開催予定のイベント

〈2024. 08. 20. by Bosai Plus

コメントを残す