P1 防災イメージ写真より(ナビット提供) 640x350 - 「防災補助金」のおさらい

防災に使える補助金 いろいろ
耐震改修、ブロック塀撤去…

助成金・補助金の検索サイトを運営する会社が、
防災関連の個人向け補助金情報を調査分析

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●防災に使える補助金、もっとも多い補助対象は?
 補助金の金額はいくらくらい? 防災補助金が多い自治体は?
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P1 防災イメージ写真より(ナビット提供) - 「防災補助金」のおさらい
助成金・補助金の検索サイトを運営する「ナビット」が、収集した補助金データベースの情報をもとに、防災に関する「個人向け補助金」情報を調査・リポートして公表した。助成金・補助金・給付金は国や自治体から交付されるお金であり、借入や融資とは異なり返済が不要なので、ぜひ防災に有効活用したい。ちなみに「補助金」はモノ(事業経費)を対象とする支援金で、「助成金」は従業員対象、「給付金」は損失対象の補填金という違いがある(画像はイメージのみ/ナビット社提供)

 株式会社ナビット(東京都千代田区)が運営する「助成金なう」では、助成金・補助金の検索サイトを運営しているが、このほど同社では、「助成金なう」が収集した補助金データベースの情報をもとに、防災に関する補助金情報を調査・リポートし、公表した。

ナビット:防災に使える補助金の調査レポートを公表

 年頭の能登半島地震では多大な被害が及んでいるが、これまでも東日本大震災をはじめ、毎年のように繰り返される集中豪雨災害など、わが国はさまざまな災害に見舞われている。各自治体では少しでも災害による影響を減らすため、防災にかかる補助金を設けている。
 そこで、各種データベースの販売を手がけるナビット社では防災関連の「個人向け補助金情報」を調査分析し、その結果を広く共有することとした。これにより、公的な補助金を実効的に活用して、わが国の防災・減災に反映させてほしいという趣旨だ。

 「助成金なう」によれば、助成金は市区町ごとに違っていて、同サイトでは全国の官公庁、市区町、財団協会11187機関の助成金・補助金を毎週追加・更新しているという。

ナビット:助成金なう

 ナビットは今回、防災関連の個人向け補助金情報を調査分析している(調査対象日:2023年4月1日~2024年3月31日、調査対象件数:95件)。以下、そのまとめとなる。

●耐震改修が最も多い!ブロック塀の撤去も意外と多い?
 左図①にあるように、補助金の対象としては、全体的には耐震改修費用の補助金が48%とほぼ半分を占めている。次いで、ブロック塀の撤去が15.7%と意外と多い。2018年大阪府北部地震で、ブロック塀が崩れて児童が犠牲になるという痛ましい事故があったが、それ以降多くの自治体ではブロック塀撤去に使える補助金を公募している。
 また、なかにはブロック塀の代わりに生垣設置を推奨する補助金も出ているという。

P2 1 耐震改修が最も多い、ブロック塀の撤去も意外と多い - 「防災補助金」のおさらい
①「補助金の対象」。耐震改修が最も多い。ブロック塀の撤去も意外と多い

●金額は10万円~50万円規模の補助金が多い
 左図②にあるように、一般的に耐震改修は100万円以上の費用がかかると言われており、補助金も10万円~50万円規模のものが多く見られる。

P2 2 10万円~50万円規模の補助金が多い - 「防災補助金」のおさらい
②「補助金の金額」。10万円〜50万円規模の補助金が多い

●自治体別では茨城県の補助金が最も多い
 左図③にあるように、自治体別では茨城県の補助金が14.7%ともっとも多くなっている。茨城県が太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んでいる地震多発地域であることが理由と考えられる。
 また、宮城県・岩手県・福島県など東日本大震災の被害を大きく受けた地域も上位を占めている。

P2 3 茨城県の補助金が最も多い - 「防災補助金」のおさらい
③自治体別では茨城県の補助金が最も多い

【 防災関連の補助金の事例 】

 耐震改修補助金の事例を、奈良県大和高田市にみてみよう。なお、この事例では募集件数は5件(先着順)、今年度をもって同補助金は終了となっている。

○奈良県大和高田市 既存木造住宅耐震改修工事補助金交付事業(一部省略)
(1) 目的:住宅の耐震化を促進し、災害に強い、安心・安全なまちづくりを推進するため、既存木造住宅の耐震改修を行う人に対して、補助金を交付
(2) 対象者(補助対象者)

  1. 補助対象住宅の所有者(共有の場合にあっては耐震改修工事を実施することに対する共有者全員の合意により選ばれた代表者を含む)であって、大和高田市税に滞納がない
  2. 補助対象住宅の所有者の同意を得た者であって、当該所有者及び同意を得た者のいずれもが大和高田市税に滞納がない
    補助対象住宅:以下の全ての条件に該当する現に居住している既存木造住宅(一戸建ての住宅、長屋住宅及び共同住宅併用住宅延べ面積の過半を居住の用に供しているもの)
    ・ 1981(昭和56)年5月31日以前に建築されているもの
    ・ 耐震診断結果の上部構造評点(建物の耐力を数値化したもの)が1.0未満のもの
    ・ 地上階数2階以下のもの
    ・ 法人以外の者が所有するもの
    (3) 支援内容:補助対象耐震改修工事
     耐震診断結果により上部構造評点を向上させる工事で、次のいずれかに該当するもの
    ・ 耐震改修前の構造評点が1.0未満であったものを1.0以上の数値にする改修工事
    ・ 耐震改修前の構造評点が0.7未満であったものを0.7以上の数値にする改修工事補助金額:補助対象経費:補助金の額
    ・ 50万円以上87万円以下:20万円
    ・ 87万円以上:左欄の経費に100分の23を乗じた額(1000円未満の端数は切り捨て)、ただし、50万円を限度とする
     申請時期、募集受付期間など、以下省略  ナビットの「補助金情報リポート」ではほかに、群馬県館林市「蓄電池設備設置補助金」、東京都北区「老朽空家等除却支援事業」、京都府木津川市「木造住宅の耐震診断士派遣・耐震改修等補助」、青森県つがる市「つがる市木造住宅耐震診断支援事業」、福岡県飯塚市「ブロック塀等撤去工事(飯塚市ブロック塀等撤去補助金制度)」などを紹介している。  なお、本紙本号ではP. 3囲み記事「東京都の帰宅困難者受け入れ施設」への補助事業、P. 4囲み記事では日本建築防災協会の「住まいの支援」関連補助情報を紹介している。

ナビット:助成金ブログ(「防災に使える補助金の調査レポート」公表サイト)

P2 4 家屋解体作業(PhotoAC 写真素材より):作者:よしかっぱ4288075 m - 「防災補助金」のおさらい
危険な空家等の除却費用の一部を助成することにより、管理不全な状態による事故等の防止や地震等の自然災害による被害防止を図る

〈2024. 08. 01. by Bosai Plus

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