コーヒーの美味しさを追求する廣瀬幸雄・教授との共同開発
たまたま小紙も興味深く拝見したが、RKB毎日放送(テレビ)の去る7月7日放送の「アブノーベルSHOW~いつかあなたの役に立つ!?~」に、廣瀬幸雄・金沢大学名誉教授(2003年イグ・ノーベル賞を受賞)が出演した。水素研究の第一人者でもある廣瀬教授はコーヒー好きのコーヒー博士としても有名で、電子レンジや遠赤外線などを使っていくつもの焙煎機を発明したり、雪国でコーヒー豆を育てたりなど、”覚めてもおいしい珈琲”を生み出すため、様々な研究を行っている。
そのなかで「水素焙煎珈琲」を生み出したのだが、この技術を応用し完成させたのが、なんと細菌の抑制・消臭効果を有する”感染予防型仮設トイレ”だ。この“匂わない”感染予防型仮設トイレは、仮設トイレや太陽光発電関連事業などを展開するインプルーブエナジー株式会社(大阪市)との共同開発の成果で、従来の仮設トイレの常識を覆すものだ。
感染予防型仮設トイレは、特許技術となる水素水加熱水蒸気を汚物のタンク内に噴射することで、匂いの元となるタンク内の細菌にアプローチし、細菌の増殖を抑制するとともに、仮設トイレ特有の強烈な悪臭を大幅に改善する。現在は、研究開発も順調に進み、さらに細菌の増殖と匂いを抑制できる新たな特許技術(出願中)等も加わっている。これにより、仮設トイレが必要不可欠な建設現場や第一次産業の現場では、仮設トイレからの匂いによる近隣住民からのクレームや労働環境の改善に効果が期待できる。
昨年8月に大阪府泉南市のSENNAN LONG PARKで開催された「MUSIC CIRCUS ’23」や「泉州夢花火」など、最高気温38.6℃を記録した真夏の屋外イベントでも設置の実績があり、とくに「真夏の仮設トイレ内でまったくと言っていいほど匂いが気にならなかった」という驚きの声が多くあがり、企業からの問い合わせも続々届いたという。
■能登半島地震被災地へ”感染予防型仮設トイレ”を無償貸与
被災者から思いがけないサプライズも
本年1月には、廣瀬教授の出身地である石川県で発生した能登半島地震の被災地に、現在までに感染予防型仮設トイレを26カ所・計70台無償貸与。廣瀬教授も自ら被災地に赴き、仮設トイレ設置作業などを行い、そこで被災地の状況を目の当たりにし、仮設トイレだけでなく、新たに水素水シャワーブースの開発に取り組み、4台を無償貸与・設置した。
感染予防型仮設トイレが稼働した翌日から被災者の喜びの声があがり、後日、そのお返しとしてトイレ・インテリア用に手作りの欄間やランタンの提供(左写真参照)というサプライズもあったという。ちなみに、冒頭の番組内では、廣瀬教授が自ら被災地に赴き、仮設トイレの設置を行った様子や被災地域の人びととの交流の様子も放送された。
インプルーブエナジー:廣瀬・金沢大学名誉教授と共同開発 感染予防型仮設トイレ
〈2024. 07. 25. by Bosai Plus〉