「潮位差エネルギー」で 沿岸域防災と発電を同時に実現
東京工業大学環境・社会理工学院・融合理工学系の高木泰士教授らが、世界初となる自己発電型可動式防潮堤に関する研究成果を発表した。
日本の港は、台風による高潮など沿岸域災害のリスクが高い地域に立地する。同研究では、港を津波や高潮から守るとともに、未来に渡って予測可能な「潮位差エネルギー」を利用して、沿岸域防災と潮位差発電を同時に実現する画期的な防潮堤システムとなる。
可動式防潮堤は、海底面下にゲートを格納でき、船の出入りや潮の流れを阻害せず、通常の水門のように視界や景観、船の高さの妨げにもならないなど、数多くの優れたメリットがある。
いっぽう、技術的な難易度が高く、建設コストも高価になりがちで、過去の実績も少ないため、導入の機運は必ずしも高くなかった。
同研究では、可動式防潮堤に津波・高潮シェルターとしての役割をもたせ、同時に港内外の潮位差を活かして潮位差発電を行う自己発電型可動式防潮堤のコンセプトを提案、干満の差が比較的小さい日本でも実現可能としている。
東京工業大学:津波防災×潮位差発電を同時に実現する可動式防潮堤
〈2024. 04. 10. by Bosai Plus〉