人口減少下の防災減災 多様な視点・総合的に議論
(ZOOM webinarで)
防災減災の仕組みの再検討が必要
――被災した過疎地域、被災者支援の担い手不足など
日本学術会議の公開シンポジウム「第18回 防災減災連携シンポジウム『人口減少社会と防災減災』」が来たる3月25日にオンライン(ZOOM webinar *定員500名)で開催される。開催趣旨は次のようだ。
「人口減少下においては防災減災の仕組みの再検討が必要。例えば、インフラが老朽化するなかで、気候変動等による災害の激甚化を受けて、耐災害性の強化が求められている。
政府予算が限られるなかで、災害危険性の少ない場所へのコンパクト&ネットワークが理想であるが、実現には課題が多い。広範囲な被災が想定される南海トラフ地震においては、東日本大震災のような大規模な復旧工事の再現はむずかしい。人口が減少するなかで、被災した過疎地域の復旧のあり方も大きな課題。さらに、防災・被災者支援の担い手不足も指摘されている。防災施設の基準や運用の見直しも必要である。
人口減少社会における防災減災のあり方について、多様な視点から総合的に議論したい」――
たまたま3月14日には、土木学会による「『2023年度国土強靱化定量的脆弱性評価・報告書』の第一弾の報告書(首都直下地震・巨大洪水・巨大高潮)」記者発表が行われた(近日その内容をリポート予定)。
まさに、令和6年能登半島地震の被災状況に見るように、想定される南海トラフ巨大地震が起これば、多くの地域で能登半島震災規模の被害が同時多発的に発生し、まさに“国難”となることは避けられない。
日本学術会議公開シンポジウムでは、セッションのテーマには「原子力防災減災」、「医療復興支援」、「住民避難」、「空き家と地域の建物倒壊リスク」、「火災安全」、「ため池」、「看護の現場と役割」、「気候変動と人口変動」、「流域治水」、「都市計画」などがあり、それらの課題の冠として「人口減少下の」とある。いずれも深堀りされて議論されることだろうが、巨大災害想定のなかではあまりにも重く深刻な話題ばかりだ。
それでも、地域防災にかかわる私たちとしては、防災・減災の先端研究成果から自助・共助につなげられる知見を得るべく、傍聴してみたい。
日本学術会議:「第18回 防災減災連携シンポジウム『人口減少社会と防災減災』」
〈2024. 03. 20. by Bosai Plus〉