後発地震注意情報 確率1%でも備えを
後発地震に「特に注意を要する期間」を1週間
「備える」に越したことはない…
国は、日本海溝・千島海溝沿いの大規模地震の発生時期や場所・規模を予測することは困難だが、巨大地震の想定震源域及びその周辺でM7.0以上の地震が発生した場合には、後発の巨大地震への注意を促す情報発信が重要として、一昨年(2022年)9月の「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」で、M7クラスの地震が起きた場合、その後の巨大地震の発生に注意を呼びかける情報の名称を「北海道・三陸沖 後発地震注意情報」(以下、「後発地震注意情報」)とした。
内閣府はこの情報の発表時にとるべき対応などについてガイドラインを作成し、2022年12月16日に運用を開始、それから1年を経た。
NHKが運用開始1年になるのを前に、防災対応が求められる北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県の対象地域に住む1000人に、11月にインターネットでアンケートを行ったところ、その7割近くが「後発地震注意情報について聞いたことがない」と回答するなど、情報の普及や理解が進んでいないことがわかったという。
「後発地震注意情報」が出た場合でも、巨大地震が起きる確率は1%程度とされているが、ほぼ半数(49%)が発生確率を「50%程度」と回答したほか「ほぼ100%」と答えた人も3割(30%)。情報が出た場合にどのように行動したらいいかについて「知らない」と答えた人は46%にのぼる。
北海道沖の「千島海溝」と三陸沖の「日本海溝」では、過去にM7から9クラスの地震が繰り返し起きていて、国の想定では死者は最悪の場合、10万人から20万人近くに達するとしている。東日本大震災をもたらした2011年東北地方太平洋沖地震ではその2日前にM7.3の地震が起きていた。
気象庁は想定される震源域やその周辺でM7クラスの地震が発生した場合、おおむね2時間後をめどに、3m以上の津波や震度6弱以上の揺れなどが想定される太平洋側の182市町村に後発地震注意情報を発表、巨大地震の発生可能性がふだんよりも高まっている、と注意を呼びかける。
事前避難などの呼びかけはせず、発表後1週間程度は日常生活を維持しながら、すぐに避難できるよう備え、地域の要援護者支援方法の確認などを推奨している。こうした防災対策が行われれば、死者を8割は減らせると想定している。
内閣府(防災担当):北海道・三陸沖後発地震注意情報の解説ページ
〈2024. 01. 05. by Bosai Plus〉