image カバー装画:さいとうゆきこ(裏表紙より) - 齋藤徳美・著<br>『岩手・減災 近年の足跡』<br>新刊

防災を通じて“いわて”に深くかかわった教授の“いわて愛”
サブタイトルに「これからも生かされていく私たち」

P3 2 齋藤徳美氏 - 齋藤徳美・著<br>『岩手・減災 近年の足跡』<br>新刊
齋藤徳美・岩手大学名誉教授

 地下計測学・地域防災学を専門とし、震災復興、地震・津波防災、火山対策、風水害対策、さらには地域創生などさまざまな分野で「いわて復興・創生」に携わってきた齋藤徳美・岩手大学名誉教授が、これまで取り組んできた研究・実践の事例を「岩手日報」に「猛威と闘う、いわて防災 近年の足跡」と題して2020年4月から2022年9月まで、毎日曜日に2年半128回にわたって掲載されたものをとりまとめ、一冊(400ページ)にまとめ、自主出版した。

・齋藤徳美・著『 岩手・減災 近年の足跡―これからも生かされていく私たち』
・定価:税込1650円
・発売日:2023/11/11
・出版社: 盛岡出版コミュニティー

盛岡出版コミュニティー:齋藤徳美(著)岩手・減災近年の足跡

【 齋藤徳美(さいとう・とくみ)氏 プロフィール 】

 1945年秋田県生まれ。東北大学大学院工学研究科博士課程修了。1978年国立大学法人岩手大学に助手として赴任以降、教授・理事・副学長を歴任、2015年3月同定年退職、岩手大学名誉教授に。専門は地下計測学・地域防災学。
 岩手山の火山活動に関する検討会座長などを務める。東日本大震災以降は岩手県東日本大震災津波復興委員会・総合企画専門委員会委員長として復興計画の立案、進捗管理などにあたる。防災功労で2016年度防災大臣表彰、17年度内閣総理大臣表彰。盛岡市在住。

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●東日本大震災復興事業から岩手山火山、リアス線試乗記まで
 『岩手・減災 近年の足跡』に見る“いわて愛”と“未来責任”
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P3 3a 齋藤徳美 著 『岩手・減災 近年の足跡』(表紙より) 1 - 齋藤徳美・著<br>『岩手・減災 近年の足跡』<br>新刊
齋藤徳美・著『岩手・減災 近年の足跡』(盛岡出版コミュニティー刊。定価:税込み1650円。
本書内容:第1部地震災害、第2部津波災害、第3部火山災害、第4部豪雨災害の4部構成。
岩手大学内に組織される、INS(岩手ネットワークシステム)を起点に、減災に向かい合う著者の姿が圧巻のドキュメンタリー作品。減災(防災)への心構えのマニュアルとしても際立つ

 本紙はこれまで齋藤徳美氏から折に触れ寄稿をいただいてきた。そのテーマは、本紙2014年3月6日付け掲載の東日本大震災3周年を機とする「“被災地いわて”から訴える」をはじめ、8本に及び、テーマも大震災からの岩手復興事業計画はもとより、氏の研究テーマでもある岩手山噴火対策、国の一方的な大津波浸水想定公表への地元在住の研究者としての反発などと鋭いものがあった。

 いっぽう齋藤氏は、防災士制度を支援するかたわら、岩手県議を全員防災士にするという画期的な仕掛けを成功させるなど、防災士普及において特筆すべき貢献についても寄稿により明らかにしていただいた。
 また、リアス線開通時には、氏から「リアス線試乗記」が寄せられ、“乗り鉄”としての楽しい知見も披露していただいた。

 氏は「“被災地いわて”から訴える」で、「長年、命を守るべく津波防災対策に携わり、今は岩手県の復興計画の立案や進捗管理に係わる土着の研究者としての立場で、復興への想いを述べさせていただく」として、次のように記した――

 「弧状列島日本は世界で最も地殻変動の激しいところであり、自然災害の発生は避けられない。東日本大震災は決して稀有の出来事ではない。自然に対する畏怖と畏敬の念を失ってはいけない。私たちは、自然を、ヒトを理解して、築くべき次代の社会を選択するという『未来責任』を背負っていることを銘記すべきである。その認識こそが、東日本大震災の大きな教訓と思うのである」――

P3 3b カバー装画:さいとうゆきこ(裏表紙より) - 齋藤徳美・著<br>『岩手・減災 近年の足跡』<br>新刊
『岩手・減災近年の足跡』の裏表紙にある装画は、イラストレーター・さいとうゆきこさんによる。同書サブタイトルに「これからも生かされていく私たち」とあり、自然・災害・不条理との共生イメージが描かれている

防災情報新聞(2014年3月6日付け):齋藤徳美「“被災地いわて”から訴える」

〈2023. 12. 16. by Bosai Plus

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