LIFULL、ピースウィンズ・ジャパンと連携、
断熱性・耐久性を活かし避難所の簡易住宅に活用
●トルコ・シリア大地震の被災地に短時間で組み立てられる簡易住宅を設置
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」などの事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(ライフル/東京都千代田)とそのグループ会社・株式会社LIFULL ArchiTech(ライフル アーキテック)は、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(本部:広島県神石高原町、代表理事:大西健丞)と連携し、トルコ南部で発生した大地震の被災地に、簡易住宅として「インスタントハウス」3棟の設置を先ごろ完了した。
「インスタントハウス」とは、東日本大震災での被災地支援をきっかけに名古屋工業大学大学院の北川啓介教授の研究をもとに、LIFULLと名古屋工業大学大学院による産学連携協定で災害用仮設住宅として開発した新しい構築物で、土地に定着していないため非建築物扱いであるいっぽう、短時間で組み立てられ、ニーズや用途にあわせて移動も可能な“住宅”だ。トルコ南部地震被災地の現地で復興業務を行っているアンタキヤ市のスタッフ、関係者のワークスペース兼宿泊スペースとして活用される。
その施工法は、テントシートを空気で膨らませ、内側から断熱材に使用されている硬質発砲ウレタンを吹き付けるというもの。「インスタントハウス」が災害用仮設住宅にマッチするポイントは、シンプルな工法で1棟あたり3〜4時間の短時間に建設可能なだけでなく、断熱性や耐久性に優れ、さらに耐震性(震度6強の地震でも崩壊しない)、耐風性(耐風速・風速80m/s程度)をあわせ持つことから、ワークスペースや宿泊スペースだけでなく、避難所の医療救護室や、子ども、コミュニティの休憩所、断熱を要する備蓄倉庫などにも活用できる。
●“備えないフェーズフリー防災” 「インスタントハウス」を世界に
LIFULLとLIFULL ArchiTechは、トルコだけではなく、日本国内、世界各地で、地震や風水害時の避難用、また難民の仮設住宅として「インスタントハウス」を普及させたいとしている。デザイン性も豊かで、日常生活でもレジャーやミニ別荘、“マイ隠れ家”などとしても活用できそうだ。災害時も役立てられる“備えないフェーズフリー防災”ともなる。
ちなみに「インスタントハウス」導入事例としてこれまで、国内グランピング用に3タイプを展開するほか、八ヶ岳でのオフグリッド実証実験(LivingAnywhere Commons/山梨県北杜市)や無人駅でのグランピング宿泊施設としての稼働(群馬県・土合駅)、スキー場での宿泊施設として稼働(群馬県・たかしな高原)、国定公園、国立公園内に設置(丹沢大山国定公園、伊勢志摩国立公園)など、約60棟の施工実績がある。
LIFULL:トルコ・シリア大地震の被災地に「インスタントハウス」を設置
〈2023. 05. 07. by Bosai Plus〉