「河川防災ステーション」を活用、
地域活性化、にぎわい創出へ

 国土交通省は、地域活性化やにぎわいの創出に寄与する「MIZBE(みずべ)ステーション」の登録制度を新たに設け、去る3月31日、第1回の登録箇所として11施設を選定(新規整備2箇所、既存9箇所)、また、「河川防災ステーション」も4箇所登録したと公表した。

P6 1 MIZBEステーションの整備イメージ - 国土交通省「MIZBEステーション」<br>登録制度を新設
MIZBEステーションの整備イメージ

 「MIZBEステーション」とは――「河川防災ステーション」(災害時に緊急復旧活動や水防活動を迅速に行うための拠点となる施設)の上面などを活用した施設で、平時における市町村などの取組みにより地域活性化やにぎわいの創出が期待される河川防災ステーションを「MIZBEステーション」として登録するもの。
 災害時と平時両面の機能を併せ持つ「MIZBEステーション」は、水防関係者や住民などあらゆる関係者に活用されることで「流域治水」推進の起点となり、また地域のにぎわいの核として地域活性化を推進しようというものだ。

①滞在のしやすさ・駐車場やトイレ、テーブル、ベンチなどの休憩施設が充実
②地域連携・地域活性化、にぎわいの創出に寄与するレクリエーション施設、地域振興施設、文化・教養施設、民間施設などが水防センターに併設または隣接
③アクセスのしやすさ・幹線道路に面するなどアクセスしやすい立地環境

▼MIZBEステーションのポイント

P6 2 MIZBEステーション、川辺防災ステーション登録箇所一覧表 - 国土交通省「MIZBEステーション」<br>登録制度を新設
MIZBEステーション、川辺防災ステーション登録箇所一覧表

 今回の「MIZBE ステーション」登録では、新たに整備する「河川防災ステーション」のうち、市町村等と連携して地域の土地利用と一体となって、平時に多くの利活用が見込まれる2つの施設を「MIZBEステーション」に登録、来年度から整備に着手(新規整備施設)。また、平時に多くの市民に利用され、地域活性化や地域のにぎわいを創出している9箇所の施設を「MIZBE ステーション」として登録(既存施設)している。加えて、4箇所の「河川防災ステーション」を登録し、来年度から整備に着手する。

国土交通省:「MIZBEステーション」はじめました!

 これを機に、「MIZBEステーション」活用事例集が公表された。災害時に活用する施設は、平時から活用してこそ本来の機能を最大限活用できるので、平時利用が非常に重要であることから、よりいっそうの活用を促すため、今回の「MIZBEステーション」に登録した9施設を事例集としてとりまとめ、公表したもの。

国土交通省:MIZBEステーション活用事例集

 「MIZBEステーション」活用事例集にある飯山地区MIZBEステーション(長野県飯山市)は、飯山市のアウトドア施設と一体的に整備し、平時は備蓄土砂の上面をテントサイトやドッグランなどのレクリエーション施設として利活用されることで、隣接する道の駅などと一体となって地域活性化やにぎわいの創出が期待されている。
 災害時は、緊急復旧活動や水防活動の拠点となる、としている。整備内容は、盛土造成、緊急復旧用資材(根固めブロック等)の備蓄、ヘリポートなどとなる。

P6 3 飯山地区MIZBEステーション(長野県飯山市)の整備イメージより - 国土交通省「MIZBEステーション」<br>登録制度を新設
飯山地区MIZBEステーション(長野県飯山市)の整備イメージより

 また、「山吹(やまぶき)地区MIZBEステーション」(長野県高森町)は、平時は高森町において整備するレストランやキャンプ場、カヌー、ビーチバレー、スケートボード、サイクリングなどのスポーツの活動拠点として、地域活性化やにぎわいの創出が期待されている。災害時は、緊急復旧活動や水防活動の拠点となる。整備内容は、緊急復旧用資材(根固めブロック等)の備蓄、ヘリポートなどとなっている。

〈2023. 04. 15. by Bosai Plus

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