RICE SAVER 『もしも』を生き抜く、米袋 全国で販売開始
東日本大震災から12年。
「にいがた防災ステーション」が
過去の震災体験から得た防災知識を全国へ
●「RICE SAVER〜『もしも』を生き抜く、コメ知識。〜」 お米は人をつなぐ手紙
新潟県主催、新潟県防災関連商品等プロモーション「にいがた防災ステーション」の一環として、株式会社ネルニード(NELNIDO/新潟県三条市)は、防災知識をパッケージに印刷したお米「RICE SAVER〜『もしも』を生き抜く、コメ知識。〜」の販売を3月から開始している。東日本大震災から12年目となる今年、過去の震災体験から得た防災知識を全国に伝えようというのが趣旨。
「にいがた防災ステーション」とは、新潟県が主催(運用:公益財団法人中越防災安全推進機構、株式会社NELNIDO)となって、新潟県防災にかかわる新しいプロジェクトやイノベーションを創出する産学官連携プラットホームだ。
ネルニード社(「ネルニード」はイタリア語で『巣の中』の意味で、「巣」は新潟県を表すという)によれば、「RICE SAVER」の開発背景は次のようだ。
「私たちの住む日本は、世界でも有数の地震大国だが、防災意識は高まってきているものの、まだまだ日常的な考え方には至っていない」。そこで、「日々の生活の中で、少しの時間でも防災について考えられるきっかけをつくりたいという想いから、私たちに身近な食、お米に着目した。昔から新潟県には、お米を贈り合うという文化が根付いていて隣家の人への挨拶に、遠く離れて住む家族への仕送りに、相手のことを想いお米を贈る。新潟県にとってお米は、大地からの大切な恵みであると同時に、人と人とをつなぐ手紙にもなっている」。
この「贈るお米」に、防災知識を載せて、手紙のように全国に仕送りできればと考え、『RICE SAVER〜もしもの時の米知識〜』が誕生したという。
●「RICE SAVER」は“LIFE SAVER” 米を贈って相手にその気持ちを伝える
防災知識は、日本災害食学会理事・副会長の別府茂氏(日本防災士会副理事長)、公益財団法人中越防災安全推進機構の河内毅氏の協力のもとに集約され、米袋に印刷された。「蓄える」「保管する」「つくる」「食べる」「安らぐ」の5つのカテゴリーで構成しており、「RICE SAVER」が“LIFE SAVER”にひっかけたネーミングであるように、視覚レイアウト・デザインもシンプルかつ洗練されていて、毎日簡単に意識できるものとなっている。
ちなみに、日本災害食学会は災害時に起こる食に関するさまざまな問題を考え、食生活の向上に寄与することを目的に、東日本大震災発災から間もない2013年9月1日に創設。別府 茂氏は同学会創設提唱者の一人で、新潟県魚沼市の食品メーカーに41年間勤務したことから缶詰・レトルト食品の製造技術に精通し、介護食、災害食の開発・市場開拓の経験を有する。
また1995年阪神淡路大震災を契機とした災害食の研究は、2004年新潟県中越地震の被災経験を経て、日本災害食学会の設立につながった。一貫して災害食研究に従事し、防災士制度の創設時からその推進にもかかわるほか、平時も役立つ災害食の必要性や備え方などをテーマに全国で講演会を行い、論文も多数発表、啓発活動に尽力している。
別府氏は、「被災生活で食べたくなる食べ物は、食べ慣れているもの。日本人が普段の生活で最も食べ慣れているのは、ご飯です。新潟県中越地震の被災時では、白いご飯を食べたいという声が多く上がっていました。おにぎり、弁当はご飯が主役、カレーや牛丼もごはんがあるからこそです。災害時でもポリ袋調理で、パックご飯を湯煎で、美味しいご飯を食べることができます。災害の準備をお米から始めることは大切です。また、お米を贈ることでお相手にその気持ちを伝えることも大切ではないでしょうか」と語る。
また、河内氏は、中越地震で被災地の復興支援活動に携わる。2018年4月から現職の中越防災安全推進機構で、東日本大震災等の被災地支援活動や、自治体・地域の防災力向上のためのコンサルや研修業務などを担っている。
▼「RICE SAVER 〜『もしも』を生き抜く、コメ知識。〜」の品種はコシヒカリ(新潟県燕市産)で、内容量:5kg、希望小売価格(税抜):3000円。詳細は下記リンクから。
ネルニード:「RICE SAVER」 防災知識を贈る米袋、3月8日より全国で販売開始
〈2023. 03. 24. by Bosai Plus〉