image 大雨の年間発生回数の経年変化(1976~2022)(気象庁資料より) - 「極端現象」と「水害リスクライン」

「極端現象」背景に 地域の洪水危険度を一元的に表現

気候変動に伴い、極端な大雨の回数や猛暑日などの日数が確実に増加
⇒「洪水キキクル+水害リスクライン」一体化

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●気象庁「大雨や猛暑日などのこれまでの変化」
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 気象庁は先ごろ、気象庁観測データをもとに、「大雨や猛暑日(極端現象)などのこれまでの変化」について2022年のデータを追加し、同庁ホームページで公表した。それによると、「1980年頃と比較して、最近の10年間は大雨の発生頻度がおおむね2倍に増加している」という。
 1976年から2022年の、1時間降水量80mm以上、3時間降水量150mm以上、日降水量300mm以上など、強度の強い雨が降った回数を集計、分析した。これらの変化には「地球温暖化が影響している可能性がある」としている。

P3 1 大雨の年間発生回数の経年変化(1976~2022)(気象庁資料より) - 「極端現象」と「水害リスクライン」
全国の1時間降水量50mm以上(上)、同80mm以上(中)、同100mm以上(下)の大雨の年間発生回数の経年変化(1976~2022年)(気象庁資料より)

▼全国の1時間降水量(毎正時における前1時間降水量)50mm以上の大雨の年間発生回数が増加。統計期間1976~2022年で10年あたり28.7回の増加、信頼水準99%で統計的に有意。最近10年間(2013~2022年)の平均年間発生回数(約328回)は、統計期間の最初の10年間(1976~1985年)の平均年間発生回数(約226回)と比べて約1.5倍に増加。

▼全国の1時間降水量80mm以上の年間発生回数が増加。統計期間1976~2022年で10年あたり2.7回の増加、信頼水準99%で統計的に有意。最近10年間(2013~2022年)の平均年間発生回数(約25回)は、統計期間の最初の10年間(1976~1985年)の平均年間発生回数(約14回)と比べて約1.8倍に増加。

▼全国の1時間降水量100mm以上の年間発生回数には増加傾向。統計期間1976~2022年で10年あたり0.6回の増加、信頼水準95%で統計的に有意。最近10年間(2013~2022年)の平均年間発生回数(約4.4回)は、統計期間の最初の10年間(1976~1985年)の平均年間発生回数(約2.2回)と比べて約2.0倍に増加。

 猛暑日については、都市化の影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている全国13地点の猛暑日(日最高気温35度以上)の統計から、最近30年間(1993~2022年)の平均年間日数は約2.7日としている。統計期間の最初の30年間(1910~1939年)は約0.8日であり、3.5倍の増加となっている。

気象庁:大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化

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●国土交通省「洪水キキクルと水害リスクラインの一体化」
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 国土交通省は、地域の洪水の危険度を一元的に確認できるよう、これまで別々に提供してきた「洪水警報の危険度分布」(洪水キキクル)と「国管理河川の洪水の危険度分布」(水害リスクライン) を気象庁ホームページ上で一体的に表示すると発表した。

 気象庁ではこれまで、中小河川の洪水危険度を伝える「洪水警報の危険度分布」(洪水キキクル)を2017年度から、いっぽう、水管理・国土保全局では国管理河川について、きめ細かな越水・溢水リスクを伝える「国管理河川の洪水の危険度分布」(水害リスクライン)を2020年度から運用し、それぞれのホームページから提供してきた。

 気象庁と水管理・国土保全局ではこれらの情報を、気象庁ホームページの「洪水キキクル」のページで一体的に表示する取組みを開始する。これにより、自治体や住民がそれぞれの場所における詳細なリスク情報をワンストップで確認可能になることから、適切な避難の判断・行動に資することが期待されるとしている。

 また「水害リスクライン」のページでは、これまで提供していた現時点の危険度に加え、6時間先までの毎時の危険度などの閲覧も可能となる。
 「洪水キキクル」と「水害リスクライン」の一体的表示の運用開始日時は、2023年2月16日13時頃からとしている。

P3 2 洪水キキクルと水害リスクラインを一体化(国土交通省資料より) - 「極端現象」と「水害リスクライン」
洪水キキクルと水害リスクラインを一体化(国土交通省資料より)

洪水キキクルのページ

水害リスクラインのページ

〈2023. 02. 17. by Bosai Plus

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