被災や復興の体験から未来へつなぐ
《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》
「武庫女×鳴尾連合自治会 第4回 防災勉強会」(主催=武庫川女子大学 教育研究社会連携推進室)が去る12月10日、武庫川女子大学中央キャンパス(兵庫県西宮市)で開催された。今回が4回目の防災勉強会で、一般参加者などを含め約55人が参加した。
東日本大震災被災地の支援・復興に関わる人たちの活動を通して、これからの地域防災について考えていくことが開催趣旨。
■鼎談・報告・パネルディスカッション
「東北の震災に関わる3人の鼎談」では、小学校4年生の時に石巻市で東日本大震災に遭った後に大阪へ転居した学生が体験を語った。
吉井美奈子氏(武庫川女子大学教育学部・准教授)は「ゼミ生と一緒に大川小学校跡地、仮設住宅などを訪ねて、ワークショップ開催して石巻市と交流を続けています」と話した。
福嶋明氏(西宮市職員)は「震災復興で女川に出向して、現在も交流を継続しており、『女川五百哩通信(おながわ・ごひゃくまいるつうしん)』を発行しています」と述べた。
「小松地区・高須地区の活動報告」では、防災マップ・防災ガイドブックの作成について報告があった。
パネルディスカッションでは、大坪明氏(武庫川女子大学教育研究社会連携推進室長・特任教授)が司会を務めて「これからの地域防災のありかた」をテーマに議論が行われた。
■「体験から未来へつなぐ」ことの重要性
今回の勉強会では「継続した交流で被災地の今を知ることができる」と改めて感じた。
「普段から地域コミュニティのつながり、人と人とのつながりが大切」との発言が繰り返しなされていたが、これが未来へつなぐ「地域力」を高めることにつながるのではないかと思う。
※掲載写真・案内については主催者の掲載承諾を得ています(片岡幸壱、編集部)。
▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障がいを持つ防災士としても活躍中。
▼参考リンク
・武庫川女子大学