再発防止を願う有志が21年後のいま問う
*梨泰院群集事故 3カ月前の刊行
日本人2人を含む150人超が死亡した10月29日夜のソウル・梨泰院群集事故は、わが国でも大きな衝撃をもって受け止められたのと同時に、改めてわが国で2001年月21日に兵庫県明石市での花火大会で発生した明石歩道橋事故を思い起こさせた。
この事故では11人が全身圧迫による急性呼吸窮迫症候群(圧死)等により亡くなり、247人が負傷した。当時、明石市と兵庫県警察の警備体制の不備や警備会社を含めた事故後の対応が問題となり、遺族会・弁護団が結成された。あれから21年の本年7月21日、二度と同じような事故が起こらないようにとの願いを込めた『明石歩道橋事故 再発防止を願って』(神戸新聞総合出版センター刊、定価2200円(税共))が刊行された。
遺族の手記のほかさまざまな取組みを収載し、警察や検察のあり方についての問題提起や弁護団・マスコミの記録も加えた渾身の一冊。神戸新聞社が協力。梨泰院群集事故に3カ月先立つ刊行ではあったが、その教訓は共有され得なかったか。
明石歩道橋事故 再発防止を願う有志:明石歩道橋事故 再発防止を願って
〈2022. 12. 06. by Bosai Plus〉