自衛隊の有事・災害時活動時に施設老朽化リスク?
ロシアによるウクライナ侵攻、中台関係の緊張、北朝鮮の軍拡姿勢など、直近の緊迫する国際情勢に対応するとして、政府・与党は“前のめり”の批判もあるなかで、この年末に向けて防衛力強化の議論を進めている。防衛予算は中期防衛力整備計画(中期防)で、5年間で買う装備品や予算総額が決まるが、現状、毎年の防衛予算約5兆円を5年後にいまより5兆円増やそうという声もあるという。
いっぽう、毎年の防衛予算約5兆円の約8割が人件費や過去に買った装備品(兵器)の分割払いに使われ、しかも、防衛省所有の庁舎や倉庫、管制塔などの自衛隊施設2万3254棟のうち、4割余りの9875棟が旧耐震基準の建物、このうち8割が耐用年数を過ぎているが、予算が足りず建て替えや耐震化がされていないという。
有事、災害時に自衛隊が施設の老朽化、被災で動けないことこそ最大のリスクになり得るというリアリティを直視しなくてはならない。
〈2022. 11. 12. by Bosai Plus〉