なぜ女川町は震災後、唯一無二の町をつくれたのか？ 新刊『災害列島の作法』の著者・土屋信行氏といえば、NHKスペシャル、書籍、週刊誌での記事などで話題になったキーワード『首都水没』、『水害列島』（後者は本紙：2019年07月16日付けでも紹介）の著者だ。
土屋氏はそもそも、東京都庁で土木の専門家・水害対策の論客として広く知られ、現在は防災啓発の一人者としてマスメディア、講演、寄稿などで活躍する人。『首都水没』執筆のもとになった江戸川区での海抜ゼロ事業をはじめ、東日本大震災時には、当時の石原慎太郎東京都知事の命により、宮城県女川町の復興に取り組んだ人である。
そしてこの女川町復興事業で特筆されるのは、高い防波堤・防潮堤を作らず、景観を保ったまま地域の高台を活かしたまちづくりをしたことだ。東北地方の被災地復興事業で唯一、この女川町だけが、防潮堤のないまちづくりを実施したのだ。
その復興事業は、町長や職員、そして外部からのスタッフも加わり、土地を一から開発し直すという一大プロジェクトだった。『災害列島の作法』は、「どこからも海が見える」という宮城県女川町で起きた復興まちづくりの奇跡＝軌跡をドキュメントとして届けるものだ。
● 『災害列島の作法』 出版記念講演会 11月8日、9日 に
参会者に『災害列島の作法』を贈呈
『災害列島の作法』上梓にあたり、土屋信行氏による出版記念講演会が来たる11月8日、9日に、市民防災まちづくり塾主催で東京都南部労政会館で開催される。市民防災まちづくり塾は土屋氏を「かたりべ」として定期的に勉強会を開催している。
・記念講演会テーマ：「防潮堤のない女川町復興まちづくりの奇跡」
・日時： 11月8日、9日 （両日）午後7:00～午後8:30
・講師：土屋信行
・主催・市民防災まちづくり塾
・会場：東京都南部労政会館 2階 第5・6会議室
（品川区大崎 1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー2 階）
・会費：1000円（会場、機材、資料等）
＊参会者に『災害列島の作法』贈呈
土屋信行・著『災害列島の作法』（主婦の友社刊、2022年9月28日発売、定価：1500円（税共））
〈2022. 10. 17. by Bosai Plus〉