「みやぎ東日本大震災津波伝承館」がゲートウェイに
「みやぎ東日本大震災津波伝承館」(宮城県石巻市)は昨(2021)年6月に開館した。宮城県が国と共同運営する震災伝承施設で、このほどその拠点機能が強化されている。
開館当初、震災の記憶と教訓を伝え継ぐ展示施設のはずが、展示内容について必ずしも評価がよくなかったことから、県(復興支援・伝承課)は2022年度以降の業務委託(3年間)先を公益社団法人「3.11みらいサポート」(石巻市)へ変更。新運営方針では業務体制などを変更して、解説員の配置人数を減らしたほか委託額も圧縮した。
いっぽう、新方針として、県内のさまざまな語り部による講話を週末ごとに開き、小中高校生対象の「災害伝承ポスターコンクール」などの企画やイベントを充実、幅広い層への教訓継承をめざす。また、被災地や他の伝承施設を訪れてもらうゲートウェイ機能を担うとしている。
県と共に新方針を立案する東北大災害科学国際研究所・佐藤翔輔准教授(災害情報学)は「語り部の定期講話などで、多くの人が来館し、さまざまな伝承活動に使われる空間にしたい」としている。
以下、直近のイベント企画より(詳細はリンク先参照)――
【3.11学びなおし塾】
東日本大震災そのものはまだ終わっておらず、現在もこれに向き合っている研究もある。災害は「起きた直後」に目が向けられがちでそのときは盛んに研究されるが、「○年たって改めてわかったこと」や「『その後のこと』でわかった重要な知見・教訓」がある。そこで、「東日本大震災の”最新”研究」を「わかりやすく」紹介する。偶数月の第1日曜 13:30~14:30開催。事前申し込み不要。講師はボランティアで協力。
▼8月7日(日) 13:30~14:30
「3.11学びなおし塾にかける思いと3.11最新研究」
講師:佐藤 翔輔・東北大学災害科学国際研究所准教授
▼10月2日(日) 13:30~14:30
「復興まちづくり研究:東日本大震災は街をどう変えたか?」
講師:姥浦道生・東北大学大学院工学研究科教授
▼12月4日(日) 13:30~14:30
「3.11問い続ける福祉のチカラ」
講師:阿部利江・東北福祉大学総合福祉学部講師
▼2月5日(日) 13:30~14:30
「”Build Back Better”からみた東日本大震災被災地の復興」
講師:村尾 修・東北大学災害科学国際研究所教授
みやぎ東日本大震災津波伝承館(宮城県):3.11 学びなおし塾
【3.11 げんば探訪】
復興に向けた歩みのなかで最前線で活躍されている人の講話。東日本大震災の「新たな学び」「気付き」を参加者と共有する。奇数月の第1日曜 13:30~14:30に開催
【ぼうさいキッズパーク】
親子向けの防災「科学実験」体験イベント
みやぎ東日本大震災津波伝承館(宮城県):ぼうさいキッズパーク(8月20日、21日)
*関係者のコロナウィルス感染のため中止*
8月20日、21日開催する親子向けの防災「科学実験」体験イベント
〈2022. 08. 19. by Bosai Plus〉