P5 2 「被災者支援コーディネーションにより期待される効果」 - JVOADが<br>「被災者支援コーディネーション<br>ガイドライン」作成

「被災家屋」、「食事と栄養」、「子ども支援」の3つの分野におけるガイドラインも

 特定非営利活動法人全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(以下略称:JVOAD、読み方:ジェイボアード。英語:Japan Voluntary Organizations Active in Disaster)は、「災害支援の文化を創造する」をスローガンに掲げ、災害時に支援の「もれ・むら」をなくすため、中間支援的な立場で現地の行政機関やNPO等をつなげる連携・コーディネーションを目的とした組織だ。
 災害が起きると、数多くの災害ボランティア(団体)が被災地に入るが、JVOADはその調整役として、「支援団体の足並みをそろえる」、「支援が入らない場所を特定して支援の『モレ・ムラ』をなくす」、「誰が、どこで何をしているのかを共有する会議体(情報共有会議)を立ち上げ、どこで何が必要なのか自主的に決められる環境をつくる」など、きめ細やかな支援が届くことをめざして活動する団体だ。

 JVOAD設立のきっかけとなったのは東日本大震災で、当時、延べ150万人のボランティアを災害ボランティアセンター(VC)が受け入れて調整を行ったが、支援団体に関しては調整役がなかったことで、支援の重複や、支援が届かないところの把握ができなかった。そこで、支援団体受入れと同時に、行政やVCとも連携を進める調整役の必要性を感じたNPO有志が集まり、2013年に準備会を立ち上げ、2016年に「JVOAD」が設立された。以来、全国の被災地支援対応しながら、平時から災害に備えて、行政機関や社会福祉協議会、企業、NPO、民間団体、専門家を結ぶ全国ネットワークを構築するほか、都道府県レベルでの連携を強める取組みを行っている。

 JVOADは先ごろ、「被災者支援コーディネーション ガイドライン」および「被災家屋」、「食事と栄養」、「子ども支援」の3つの分野におけるガイドラインを作成し公表した。今後、これらのガイドラインの更新を随時行い、さらに新たな分野別ガイドラインの作成や、ガイドラインを基にした研修プログラムの作成を行う予定だという。

P5 1 被災者支援コーディネーション仕組みづくり 実施体制(初年度 2021年4月時点) - JVOADが<br>「被災者支援コーディネーション<br>ガイドライン」作成
被災者支援コーディネーション仕組みづくり実施体制(初年度 2021年4月時点)
P5 2 「被災者支援コーディネーションにより期待される効果」 - JVOADが<br>「被災者支援コーディネーション<br>ガイドライン」作成
「被災者支援コーディネーションにより期待される効果」
P5 3 「ネットワーキング、支援の担い手育成、コーディネーションの体制づくり」 - JVOADが<br>「被災者支援コーディネーション<br>ガイドライン」作成
「ネットワーキング、支援の担い手育成、コーディネーションの体制づくり」

JVOAD:「被災者支援コーディネーション ガイドライン」完成

 なお、JVOADは、「被災者支援コーディネーション」を、「普段から支援関係者の連携促進に取り組み、災害発生後はその連携を活かして、被災者のニーズと支援の全体像を把握・共有し、被災現場における活動を支援するとともに、課題解決に向けた調整を行うこと」と定義している。

〈2022. 06. 16. by Bosai Plus

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