お固い(?)学会サイトの異色コンテンツ――「地質マンガ」

 2022年4月から高校地理が必修化し、また、選択科目として「地理探求」もできる。地理を学ぶことは、防災啓発のうえでも重要であることは言うまでもない。
 NHKテレビのまち歩き番組「ブラタモリ」でも、タモリ氏が火山や断層に詳しく、しばしば地理・地質の話題と防災が関連づけられて話題にのぼることから、国土地理院が同番組に感謝状を贈呈している。
 そこで――というわけでもないが、ここで日本地質学会のホームページにあって、地質というお固い学会を紹介するコンテンツとしては異彩を放つ「地質マンガ」を紹介しよう。

P6 1 日本地質学会の「地質マンガ」より - 日本地質学会<br>地質学関連マンガをワンクリック閲覧
日本地質学会「地質マンガ」のページのもくじより(一部)。地質学のいろいろな話題を4コママンガにして、地質学の基本はもとより、地質学者の“日常”を楽しく紹介。学会サイトのコンテンツとして異彩を放っている

 例えば、地質学では、「露頭」や「巡検」などは専門用語であって、タダの露頭や巡検ではない。「露頭」は、野外において地層・岩石が露出している場所を意味する。海岸の崖、河床など自然な場所のほか、林道などの切り割り、工事現場など人工的に露出している場所も含み、鉱山では鉱物が露出している面を指すこともある。
 地質学の野外調査では露頭を観察することが中心となり、露頭からは地層の上下関係、化石や鉱物の産状をはじめとする様々な地質についての情報を得ることができる。そのため、地質学者たちは海岸や沢、林道に沿って地質調査(フィールドワーク)を行うのだ。

 また、よく耳にするフィールドワークは、ある調査対象について学術研究をする際に、そのテーマに即した場所(現地)を実際に訪れ、その対象を直接観察し、関係者には聞き取り調査やアンケート調査を行い、現地での史料・資料の採取を行うなど、学術的に客観的な成果を挙げるための調査技法を言い、これを地学や地理学では「巡検」と称している。
 したがって、「地質巡検」とは、地表に顔を出している地層や岩体(露頭)を実際に見に行く野外実習のことであり、“露頭に迷う”のとは意味が違う。

 「地質マンガ」には「ロトウに迷う」というタイトルもあるほか、地質学入門的なお勉強ができるマンガ、地質学者の日常(研究生活)を知ることができるマンガもあるので、後学のためにご一覧をオススメする(家族・知り合いに高校生がいたら“防災意識高い系大人”からの推薦マンガとしてお薦めしてください)。

日本地質学会:「地質マンガ」

〈2022. 04. 09. by Bosai Plus

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