気象庁、「未知の現象」に対応苦慮 津波か不明も警報発表
当面、「遠地地震に関する情報」により、
潮位変化が観測される可能性がある旨の情報を発信
本年(2022)1月15日午後1時ごろに発生した、海底火山フンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山噴火による潮位変化について、気象庁は同日午後7時ごろの発表で、若干の海面変動が予想されるとしつつ、「被害の心配はない」としたが、その後、潮位上昇が観測され、午後11時55分には鹿児島県奄美市で1.2mの最大波を観測、16日午前0時15分には、奄美群島・トカラ列島に津波警報を出すに至った。
この噴火による空振の影響と見られる“未知の現象”についての情報発信において、気象庁は、去る2月8日、「同火山の噴火による潮位変化のメカニズム等の分析および情報発信の強化について(当面の対応)」を発表。主に「観測された潮位変化のメカニズム等が明らかでなかったため、津波警報等の発表に時間を要した」、「噴火発生から津波警報等の発表までの間の情報発信が不十分だった」といった課題を認め、当面、有識者による潮位変化のメカニズム等の分析・情報発信のあり方の検討や、「遠地地震に関する情報」を活用した情報発信を行うとした。
それによると、今般の噴火で発生した潮位変化のメカニズム等を分析するため、「津波予測技術に関する勉強会」を本年度中に2回程度開催し、分析結果をとりまとめる予定。さらに、火山噴火等に伴う潮位変化に対する情報発信のあり方を議論する検討会を開催し、2022年度前半に検討結果をとりまとめるとしている。
この間、当面の情報発信として、海外で大規模噴火が発生した場合や、大規模噴火後に日本へ津波の伝わる経路上にある海外の津波観測点で潮位変化が観測された場合、「遠地地震に関する情報」により、潮位変化が観測される可能性がある旨の情報を発信し、その後の国内外の潮位変化に応じて、津波警報等の仕組みを活用して津波警報や津波注意報を発表するとしている。
気象庁:海外火山噴火による潮位変化・情報発信の強化(当面の対応)
〈2022. 02. 16. by Bosai Plus〉