JAXA認証の宇宙日本食と日本災害食の連携 始まる
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下「JAXA」）と一般社団法人日本災害食学会（以下「JDFS」）は、宇宙食と災害食には常温での長期保管など、その特性に多くの類似点あることに着目し、JAXAが認証制度を運営する「宇宙日本食」と、JDFSが認証制度を運営する「日本災害食」との連携を共同で進めてきた。このほど、「宇宙日本食」に認証された食品は、「日本災害食」に比較的簡易な審査で認証することになった。
具体的には、宇宙日本食認証食品が日本災害食認証を得るために申請した場合、日本災害食認証審査項目のうち、宇宙日本食認証を取得するためにJAXAで審査された項目は、JDFSでの審査が省略される。JAXAでは、この取組みにより、宇宙日本食が宇宙飛行士の宇宙生活を支えるだけでなく、地上生活でも活用され、宇宙がより身近な存在になることを期待している。なお、JAXAとJDFSは、「日本災害食」に認証されている食品を「宇宙日本食」に認証するときの手続きも、共同で継続して検討を進める予定。
宇宙日本食は、食品メーカなどが提案する食品をJAXAが定める宇宙日本食認証基準と照らし、基準を満足している場合に宇宙日本食として認証する。ISSに滞在する日本人宇宙飛行士に、日本食の味を楽しんでもらい、長期滞在の際の精神的なストレスを和らげ、パフォーマンスの維持・向上につなげるために開発された。現在は、日本人宇宙飛行士のみに提供されているが、いずれ国際パートナーの宇宙飛行士にも提供する。
宇宙日本食は、日本の家庭で普段食されている範囲を対象としており、日本の伝統的な「和食」には限定していない。これまでに宇宙日本食として認証された食品には、焼きそばやカレーなども含まれている。
〈2022. 02. 15. by Bosai Plus〉