「第6回 全国被災地語り部国際シンポジウム in 神戸」開催
《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》
災害教訓の継承を考える「第6回 全国被災地語り部国際シンポジウム in 神戸」(主催=「第6回 全国被災地語り部国際シンポジウム in 神戸」実行委員会)が去る12月11日・12日、ホテルオークラ神戸など(兵庫県神戸市)で開催され、学生、一般などを含む約200人が参加した。
同シンポジウムは「2代目の語り部」となり得る若い世代や、”未災地(「未来に被災するであろう地」、「未だ被災していない地」を意味する)”の地域住民が「語り継ぎ」の意義をどう捉え、どう災害教訓を継承・共有するかを学ぶことを目的とするもので、2日間・全体8部構成で開催された。
■セッション・パネルディスカッション・分科会などから学ぶ
8部構成の内容は、「復興まちあるき(東遊園地から会場、長田区、野島断層保存館)」、「災害報道(阪神・淡路大震災30年へむけて)」、「鼎談(語り継ぐ 阪神・淡路大震災からの始まり)」、「パネルディスカッション(受け継ぐ 2代目の語り部)」、「分科会(被災地の語り部(講話) 未来を過去の経験から考える、文化・社会・経済の語り部 平時からの取組み、コロナ社会の語り部 リレートーク、記録を読み解く力の先に未来を描く)」などのテーマで、年代を超えたタテとヨコのつながりを考えるシンポジウムとなった。
「学生セッション」では、「被災地・外国人被災者の語りから読み解く~阪神・淡路大震災の動画作成(関西学院大学)」、「東日本大震災支援サークル Bridge の活動(兵庫県立大学)」、『新長田学生サポータークラブが関わった「新長田紹介まち歩き」、「1.17 KOBEに灯りを in ながた」(神戸常盤大学)』などのボランティア活動の報告が行われた。
東日本大震災支援サークル Bridgeは「震災を経験した神戸と東北の『架け橋』になりたい」という想いから、保養キャンプ・東北物産・追悼行事の主催などの活動を報告した。
阪神・淡路大震災で被災、また局所性ジストニアを患い、左手だけで演奏するピアニストを題材にした人間ドラマ「にしきたショパン」の映画上映も行われた。
■2代目の語り部に期待
災害経験がなくても災害教訓を共有し、語り継ぐことの大切さ、また、それを伝えることのむずかしさを感じたシンポジウムだった。
登壇者のひとりは、「震災がなかったかのような街並みになって、改めて危機感を感じ、語り部をしようと決意した」と語っていた。2代目の語り部が教訓を引き継ぎ、過去の災害を学び・感じとり、伝えていくことで、その志が、次の災害で人びとの命を救おうという意志・行動に必ず活かされるのだと確信した。
※掲載写真については、主催の実行委員会に掲載了承を頂いています。(片岡幸壱、編集部)
▽本紙特約リポーター:片岡幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障がいを持つ防災士としても活躍中。
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