《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》
「今と向き合うNAGATAツアー」(主催=今井直人さん)が去る11月28日、新長田合同庁舎(兵庫県神戸市長田区)で開催され、生徒、学生、一般などを含む約15人が参加した。
同ツアーは、阪神・淡路大震災の震災復興計画や再開発を経た新長田の街並みを見て「今と向き合い過去や未来について考える」ことを目的として開催された。
■長田の震災を知る、まち歩き
主催者の今井直人さん(尼崎市立ユース交流センター)が「長田のまちの歴史、阪神・淡路大震災の概要・被害・特徴」について述べた後、「長田が火災の被害に遭い、早い時期に再開発事業が計画された。しかし、ハードの側面が強く、今なおシャッター街や商店街の活性化が課題となっている」と講演した。
その後、グループワークで「今の生活で見つめ直したいこと」、「まち歩きで意識したいこと」などを話し合った。
ウォールギャラリーでは、阪神・淡路大震災の写真、神戸の壁などが展示されており、参加者は展示を見学した。同ギャラリーは「震災のこと」、「このまちのこれから」を考えるための、静かな、祈りと学びのための空間ともなっていた。
まち歩きは商店街、丸五アジア横丁ナイト屋台、介護付きシェアハウス はっぴーの家ろっけんなどを見学した。
■まち歩きを通して考えることの重要性
阪神・淡路大震災から26年が経過し、その教訓は、経験した人から若い人たちに伝えられていく時期に来ている。
今井直人さんは「改めて長田のまちを歩き、震災からの力強い復興と葛藤を感じた。このまちで生きる市民として、これからもまちに関わっていきたい」と感想を述べた。
実際にまち歩きをすることで、長田の「過去・現在・未来」について新しい視点から改めて見つめ直すことができ、まちづくりに向き合う姿勢にも新たな発想、可能性が生まれるのではないだろうか。
※掲載写真については、主催の今井直人さんに掲載了承を頂いています。(片岡幸壱、編集部)
▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障がいを持つ防災士としても活躍中。
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