「防災住宅での災害後の夜(想定)」

 百年住宅グループと一般社団法人防災住宅研究所が共同開発した「防災住宅」が2021年「第3回防災グッズ大賞」(主催:一般社団法人災害防止研究所、共催:株式会社ビジネスガイド社)の住宅部門で大賞を受賞した。
 防災グッズ大賞は、優れた品質の防災グッズを表彰し、防災グッズ(防疫、防犯を含む)の普及を通じて、自助意識を啓発・普及することを目的に2019年に創設。「住宅」自体が大賞を受賞するのは防災グッズ大賞で初めてで、授賞式は10月15日東京ビッグサイト西展示棟で行われた。

防災グッズ大賞 2021

P6 1 「防災住宅」の定義 - 百年住宅の「防災住宅」が<br>「防災グッズ大賞」の大賞を受賞
P6 2 「防災住宅での災害後の夜(想定)」 - 百年住宅の「防災住宅」が<br>「防災グッズ大賞」の大賞を受賞
「防災住宅」は、日本の住宅は「災害に対して弱すぎる」という問題意識に立ち、防災・減災には「耐震補強」や「家具固定」「備蓄」より前に、まず住宅の強靭化を推進べきとする。百年住宅グループは、過去の災害での耐災害実績から、WPC工法を基本とする「防災住宅」の普及を推し進めている

 「防災住宅」は、阪神・淡路大震災以降に起こった大地震で全壊・半壊はもとより一部損壊もなかったWPC工法(Wall:壁式に、Precast:あらかじめ作る、Concrete:コンクリートの頭文字)を基本に、防災住宅研究所・児玉猛治所長がさらなる対策を取り入れ、改良を重ね、地震、津波、台風、浸水害、土砂災害、火災など、あらゆる災害から被害を最小限化する住宅をめざしたもの。
 また、コロナ禍での避難にも対応、電気・水道などライフラインが寸断されたなかでも在宅避難が可能な設備を整えている。

 児玉猛治所長は「防災住宅」の定義を「住宅ローンが終わる35年間は住宅を襲うさまざまな災害に対し、全壊・半壊はもとより一部損壊さえもなく、家族の安全を確保、災害後も避難所に行くことなく、自宅でストレスのない生活環境を得られる住宅」と定義。
 「防災住宅」の設備として、エコキュート転倒防止接続、感電ブレーカー付き住宅分電盤設置、ワイヤレス連動型火災報知器設置、ライフライン断絶時対応(家族5人分・1週間分の非常用トイレ、水、食料備蓄/備蓄場所確保)、ソーラーシステムと蓄電システムなどの設備のほか、非常用発電機+停電時特別電気配線、防災・防犯用強化ガラスを採用。

 さらに土砂災害には、山側1階部分開口部に鉄格子設置、2階谷側に「防災部屋」、津波・河川氾濫・高潮には2階に「防災部屋」、必要に応じて地盤の盛土、屋上には津波シェルターベントハウス(空気だまり付き)のオプションもあるという徹底ぶりだ。

「防災住宅」の特徴、定義、開発経緯

〈2021. 10. 18. by Bosai Plus

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