不動産物件サイト「Viila」より

日本の別荘地・観光地・温泉地は
土砂災害リスクと隣接しがち。
不動産売買に災害リスク情報も必須の時代

●熱海土砂災害の衝撃――「Viila」軽井沢別荘物件検索にハザードマップ情報も

 本年(2021年)7月3日に発生した静岡県熱海市伊豆山の大規模な土石流では、多くの民家を押し流し、死者22人・行方不明者5人もの犠牲者が出ている(7月28日現在)。発災当初、現地は別荘地ということもあって、犠牲者の特定に時間がかかった。

 本紙既報のように土石流が起こった場所は土砂災害危険渓流沿いではあったが、まさにこのような土砂崩れや急傾斜地崩壊の土砂災害警戒区域やその近隣であればこそ、平時は自然景観が評価され、別荘や山荘、保養所などが建てられがちである。言い方を変えれば、わが国では急峻な山岳部に多く所在する別荘地・温泉観光地の多くが、土砂災害危険区域に立地、あるいは隣接していることになる。とくに温泉は火山の恵みではあるが、火山からの噴射物でできた温泉地の地質は土砂崩れが起きやすいことになる。

P4 1 不動産物件サイト「Viila」より - 「別荘」の災害リスク<br>別荘を持つのが夢?<br>(災害リスクも考慮!)
不動産プラットフォーム「Viila」より、軽井沢の物件例

 国は世界的な気候変動を背景に激甚化する洪水・土砂災害などの水災害対策として、「流域治水」を基本とする対策に転換しつつあるが、そのなかで災害リスクのある地区での住宅などの開発規制も重要方針としてあげられている。これを受けて、不動産開発・販売においても、宅建業者に対して、土砂災害警戒区域等の指定の有無や規制内容について、売買時の重要事項として説明することを義務づけている。

 熱海土砂災害の衝撃を受けて、不動産プラットフォーム「Viila」(開発:株式会社Olto)ではハザードマップの新機能を組み込んだ新バーションをこのほどリリースした。買主に災害リスクを認識したうえで別荘などの物件の検索から購入決定をしてもらいたいという趣旨で、軽井沢での物件検索で災害リスクを重ね合わせて検索できるという先駆的な試みとなっている。

P4 2 不動産物件サイト「Viila」より物件の詳細(個別) - 「別荘」の災害リスク<br>別荘を持つのが夢?<br>(災害リスクも考慮!)
軽井沢の個別物件と災害リスク表示例
P4 3 不動産物件サイト「Viila」より物件の詳細(広域) - 「別荘」の災害リスク<br>別荘を持つのが夢?<br>(災害リスクも考慮!)
軽井沢広域災害リスクと物件例

 「Viila」土砂災害ハザードマップ機能では次の6つの災害リスクが検索可能――「土砂災害警戒区域(土石流)」、「土砂災害警戒区域(急傾斜地の崩壊)」、「土砂災害警戒区域(地すべり)」、「土石流危険渓流」、「急傾斜地崩壊危険箇所」、「地すべり危険箇所」。もちろん、すでに軽井沢に物件を所有している人も警戒区域との位置関係を確認できる。

Viila:軽井沢物件の地図検索 土砂災害ハザードマップ重ね合わせ

〈2021. 08. 03. by Bosai Plus

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