2025年に“めざす姿”、全国の安心拠点
都道府県からの提案を踏まえて、重点支援対象となる「防災道の駅」
道の駅から「39駅」を初めて選定
●「道の駅」第3ステージは「地方創生・観光を加速する拠点(+ネットワーク化)」
「道の駅」は、地方自治体と道路管理者が連携して設置し、国(国土交通省、制度開始時は建設省)により登録されるもので、商業施設や休憩・宿泊施設、地域振興施設などが一体となった道路施設。同制度は1993年に発足している。
当時の社会的な背景として、長距離ドライバーが増え、女性や高齢者のドライバーが増加するなかで、道路交通の円滑な「ながれ」を支えるため、一般道路にも安心して立ち寄れ、利用できる快適な休憩のための「たまり」空間のニーズが高まっていることがあった。そこで、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の人びとのための「情報発信機能」、道の駅を核としてその地域の町同士が連携する「地域の連携機能」という3つの機能を併せ持つ「道の駅」登録制度が発足した。
国土交通省は去る6月11日、市町村から申請のあった6駅を新たに「道の駅」として登録することとし、これにより、全国の「道の駅」は、合計で1193駅となっている。
「道の駅」はこれまで、第1ステージ(1993年〜)のコンセプトとして「通過する道路利用者のサービス提供の場」、第2ステージ(2013年〜)「道の駅自体が目的地」を打ち出してきたが、「道の駅」誕生から四半世紀を経た2019年11月、2020年からの新たなチャレンジとして「道の駅 第3ステージ」(2020〜2025年)を設定、「地方創生・観光を加速する拠点(+ネットワーク化で活力ある地域デザインにも貢献)」をコンセプトとした。そこで「2025年にめざす姿」として打ち出された目標のひとつが、全国の安心拠点としての「防災道の駅」だ。
● 新「防災道の駅」が全国の安心拠点に
国土交通省は去る6月11日、「道の駅」第3ステージの取組みの一環として、都道府県の地域防災計画等で広域的な防災拠点に位置づけられている「道の駅」について「防災道の駅」として選定、防災拠点としての役割を果たすためのハード・ソフト両面からの重点的な支援を行うこととし、都道府県からの提案を踏まえて、重点支援対象となる「防災道の駅」として「39駅」を初めて選定し、公表した。
新「防災道の駅」は、広域的な防災機能を担うため、国などの支援を受けてハード・ソフト対策を強化。また、地域住民や道路利用者、外国人観光客も含め、他の防災施設と連携しながら安全・安心な場を提供する。各「道の駅」でも、地域の防災計画に基づいて、BCPの策定、防災訓練など災害時の機能確保に向けた準備を着実に実施する。
これら「道の駅」の活動情報は、災害時に国、自治体、連絡会などでいち早く共有し、関係機関の支援も受けながら、地域の復旧・復興の拠点として貢献する、としている。
〈2021. 07. 08. by Bosai Plus〉